勝負を分けた…上本“甘タッチ”

 「阪神2-3巨人」(23日、甲子園)

 わずかなミスが勝敗を分けた。「タイミングは完全にアウトだったけどな…」。阪神・和田監督が悔やむ場面は、同点の九回1死一塁だ。

 一走は足のスペシャリストの代走・鈴木。指揮官が「走ってくるのは分かっていて、警戒していた」と話すように、バッテリーは何度もけん制を繰り返す。村田の3球目に鈴木がスタート。梅野の送球はワンバウンドとなったがタイミングは完全にアウト。だが…。

 二塁手・上本は滑り込む鈴木の右膝付近へタッチ。だが、一瞬早く鈴木の足先は二塁ベースを捉えたとジャッジされた。タッチの甘さが招いた危機。「ベンチからは見えないから」と和田監督はプレーの正否について判断は避けたが、直後の暴投で三進を許し、2死満塁から再び暴投で決勝点を献上した。

 「(流れを)引き寄せるまでに至らなかった」と和田監督。三回に同点とされた後は、勝ち越しのチャンスをつくるも打線が先発・能見を援護できない。「それに尽きる。今日は打つ方だな」と厳しい表情を浮かべた。

 連勝は4でストップも「引きずっていられない負け。(巨人とは)接戦も多くなる。こういう試合をどう拾っていくかを考えたい」。勝負は先にある。ここ一番の一打、ワンプレーの精度。それを高めた時、宿敵を捉える瞬間は見えてくる。

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