ゴメス長打封印 サヨナラ呼んだ進塁打
「阪神5-4DeNA」(1日、甲子園)
4番が意外な形でサヨナラのチャンスを演出した。阪神・ゴメスが懸命にバットを伸ばしてセカンドへ転がしたボテボテのゴロ。これが進塁打となり、福留のサヨナラ打を呼んだ。
「最低でも右方向にゴロを転がそうと思った。もう延長十回だったから」と振り返ったゴメス。延長十回無死一塁で迎えた第5打席、鳥谷が暴投で二塁に進んだ時点で「切り替えた」と長打狙いを消した。
ゲームを決めに行く中で、最後は外角ギリギリのボールにバットを伸ばしての二ゴロ。決して4番の仕事とは言えないが、2ストライクと追い込まれた状況ではチームの勝利を最優先に考えた。本人が語ったように最低限の仕事。ただそれが攻撃の流れを生んだ。
今成の右前適時打で1点差に詰め寄った直後の三回、2死二塁の場面では追い込まれながらも、外角直球を逆らわずに右前へはじき返した。開幕当初は完全なプルヒッターだったが、日本で打席数を重ねるに連れて“柔軟性”を兼ね備えるまで成長を果たした。
夏場からペナント終盤にかけて1点を争う重要な局面が増えてくる。力任せの4番ではなく、状況に応じた対応力と勝負強さをゴメスが見せてくれれば‐。打線の流れは間違いなく好転する。