隼太、先制のプロ初三塁打「必死です」

 「DeNA4‐7阪神」(15日、横浜)

 迷わず二塁ベースを蹴った。阪神・伊藤隼は鬼の形相で三塁に滑り込んだ。「足がもつれました。必死です」。苦笑いで振り返ったプロ初の三塁打。隼太が試合の主導権を握る先制の適時打を放った。場面は二回2死一塁。カウント2‐2からスライダーに反応。糸を引くようなライナーが右中間を切り裂いた。

 「追い込まれていたのでフォーク、スライダー、内に突っ込んでくる球を頭に入れていました。結果として良かったですけど、最後ですね…」

 試合後の表情には悔しさがにじむ。3点リードの九回1死満塁。絶好のチャンスで左飛に打ち取られた。三走の鳥谷が本塁で憤死しダメを押せなかった。

 「ああいう場面で打たないと自分が出てる意味がない」

 飽くなき向上心を持つ。今月上旬、隼太の携帯電話が鳴った。着信の主は掛布DCだった。「打席で背番号51を見せるな。右肩が入りすぎている」。決して不調ではない。スタメンでの出場機会が増え、安打も出ていた。「結果が出ているときの方がアドバイスは聞き入れやすいんだ」と掛布DCは言う。ボールを見すぎると、バットは出てこない。翌日の打撃練習で早速、修正した。「電話をもらったので。そこを意識して練習しました」と隼太。大卒3年目に訪れたレギュラー獲りのチャンス。好結果にも浮かれることはない。

 八回は2死走者なしから、右前打で嫌なムードを吹き飛ばした。その後の猛攻を呼び込んだ。「非常に状態がいい。積極的にバットを振れていることが結果につながっている」と和田監督。成長著しい25歳に最大級の賛辞を送った。

 チャンスを逃し続けた過去2年。もう恐れるものはない。隼太は死にもの狂いでレギュラーに食らいつく。

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