ゴメス様“夢つない弾”劇的逆転G倒

 「巨人4‐5阪神」(27日、東京ド)

 首位攻防3連戦の初戦を落とした阪神が、劇的な逆転勝利。負ければ自力V消滅の危機をしのぎ、夢をつないだ。初回に巨人・村田にいきなり先制3ランを食らう苦しい展開となったが、マウロ・ゴメス内野手(29)が3点を追う六回に適時打。延長十回1死一塁から左翼へ決勝2ランを放った。阪神は2年連続で夏のロード勝ち越しが決まった。

 これが猛虎の誇る4番の力。負ければ自力優勝の可能性が消滅する土俵際。しかし、ゴメスのバットが宿敵・巨人の勢いを、前夜からの負の流れを、すべてを振り払った。

 「打った瞬間に入ると思った。本当にハッピーな気持ち。チームの勝利に貢献できてうれしいよ」。主砲は何度も「ハッピー」という言葉を繰り返した。

 同点で迎えた延長十回だ。マウンドに立ちはだかるは、敵の守護神・マシソン。だが、高めに浮いた146キロの直球を完璧に捉えてみせた。打球は歓喜に沸く虎党が待つ左翼席へ。いや、そのはるか上だ。左翼上段にある看板のフレームを直撃する特大の21号決勝2ランとなった。

 意地の一打だった。前夜は節目となる先制の20号を放つも、チームはサヨナラ負け。「全力でプレーして勝てるように頑張ります」。笑顔なく、悔しさをにじませ帰路についた。20号到達でそると宣言したヒゲも、伸ばしたまま、この日の試合を迎えていた。2度も宿敵の前に屈するわけにはいかない。反撃ののろしを上げたのもゴメスだ。

 3点を追う六回1死一、二塁。苦戦を強いられた巨人先発・小山から。外角のボール気味の直球に食らいつき一、二塁間を破る右前適時打。和田監督が「ザ・4番という仕事をしてくれた」と絶賛の働きで、逆転劇への道をつくり出した。

 巨人との伝統の一戦。その意味も、この1勝の重みも来日1年目の主砲は十分に理解している。「一番大事なのは、今日の戦いに勝てたことだ」。試合後は打席での鋭い眼光とは打って変わり、愛嬌(あいきょう)のある笑顔を振りまいた。打点も89。リーグトップのエルドレッド(広島)にあと2と迫った。

 惜しくも特大弾は、キリンビールの看板のフレームに当たり、懸賞の対象外。賞金やビール1年分の賞品は出なかった。だが、もっと大きな目標がある。

 「何とか優勝をして、みんなでおいしいお酒を飲みたいね」とゴメス。思い描く歓喜の秋。そのバットが猛威を振るえば、最高の美酒に酔いしれる至福の時間が訪れる。

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