今成奇跡起こした!逆転サヨナラ2点打
「阪神4‐3DeNA」(2日、甲子園)
9月最初はサヨナラ勝利ナリ~。阪神は1点を追う九回1死満塁から今成亮太捕手(26)が左前打で2者生還し、今季6度目のサヨナラ勝ちで和田監督の52歳バースデーに白星をプレゼント。DeNA戦のカード勝ち越しも決めた。首位巨人と2・5ゲーム差は変わらず、2位・広島は0・5差。猛虎9月反攻の始まりナリ~。
どうしても打ちたかった。打たなければならなかった。優勝を争うチームのため、そして自分のために。打席の中でこわばっていく今成の表情。緊張、重圧‐。それらを乗り越えた瞬間、打球は猛烈な勢いで左翼の芝生を弾んだ。マートンが生還すると、心に張り詰めていた糸が切れ、最高の笑顔へと変わった。「本当に最高です!」。お立ち台では興奮しすぎて言葉にならない。
場面は1点を追う九回1死満塁。ここまで3打席連続三振に倒れていた。早出特打で復調の糸を探ったが、8月上旬に・305だった打率が・270を割り込む中で迎えた第4打席だった。
前の打者・福留が敬遠される最中、この日、52歳の誕生日を迎えた和田監督から「熱くなりすぎるな。最短距離でバットを出せ」とアドバイスを受けた。「(3三振は)終わったことなんで。守備も前進だったし、投手の足元を狙って」とカウント2‐1からの4球目、外角カットボールを逆らわずに打ち返した打球が敗色濃厚だった試合を勝利に変えて見せた。
プロ入り初のサヨナラ打となる逆転の2点適時打。「ファームでは打ったことあるけど、1軍では初めてなんで」と歓喜のウオーターシャワーに、顔をくしゃくしゃにした。2球目にまったく同じボールを空振りしてからの修正は、天性の打撃センスがなければ簡単にできない。
「俺はね、本当は今成を出したくなかったんだよ。彼の打撃は間違いなく、1軍で通用するはずだから」
12年に日本ハムからトレード移籍した直後、栗山監督はこう悔やんだ。就任後、打撃練習を初めて見た際、少々のボール球でも打ち返すミートゾーンの広さに驚いたと言う。「何とか阪神で花を咲かせてほしいよね」と大成を願った。
あれから3年、虎のホットコーナーを任せられるまでに成長した。誰もが認める技術が、V争いから脱落しそうな虎を救った。巨人とはまだ2・5差。厳しい戦いの中で成長する若虎がいる限り、必ず王者の背中は見えてくる。
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