和田監督続投に待った 6連敗大失速
今季で3年契約が満了する阪神・和田豊監督(52)の来季去就に関し、2年連続でAクラスを確保しても、契約更新が見送られる可能性が11日、浮上した。球団サイドはかねて来季続投の基本方針を固めていたが、昨年に続く大失速が今後も続き、電鉄本社サイドから続投に異議を唱える声が噴出した場合、後任人事に着手せざるを得ない状況となってきた。
来季続投を基本線とし、就任4年目を迎える公算が高かった和田政権が、今季で幕を閉じる可能性が浮上した。2カード連続でカード3連敗を喫するなど、長期ロード明けの成績は3勝9敗。昨年終盤の大失速と同じ曲線をたどる負のイメージが、契約更新の足かせとなり始めた。
今季最終戦となった宿敵との対決も、初回に4点を奪われる劣勢をはね返せず敗北。15年ぶりに聖地で3連戦3連敗を喫した。今季初の6連敗となり、3年連続となるカード負け越しの屈辱を味わった。首位・巨人とのゲーム差は7・5に開き、9年ぶりのリーグ優勝は絶望的な雰囲気を漂わせている。
「現時点で続投を基本線としていることに変わりはありませんが、このままの状態が広島戦まで続くようであれば…。状況が変わる可能性はあるかもしれません」と球団関係者は、チームの長引く低迷に困惑の表情を浮かべた。
和田監督の来季去就は順位確定後に最終決定される方向性だが、2年連続Aクラスを確保した場合でも、失速感を漂わせたままの終幕となれば、電鉄本社サイドを中心に、来季続投に慎重な意見が出るのは避けられない情勢。
優勝戦線に踏みとどまっていた8月下旬まで、本社サイドも大筋で来季続投を容認する空気感だった。だが、昨年の失敗と反省を生かし切れない近況から、逆に来季続投に疑問を抱く論調が出始めている。
球団内ではAクラス‐続投の基本方針を固め、最終意思決定者である坂井オーナーの了承を取り付けたい意向だが、今後の戦績によっては、その基本方針を根底から見直さざるを得ない可能性も否定できない。
「選手を信じて、もう1回行くという気持ちでやっていきます。この3タテも、6連敗も、カード負け越しもすべて私の責任です」と和田監督は全責任を負った。聖地を吹き抜けた秋風。負の連鎖を抜け出せないタテジマの屋台骨が揺らぎ始めている。