大野コーチ見つけた!育成4年目島本だ
「阪神秋季キャンプ」(4日、安芸)
阪神の臨時コーチを務める大野豊氏(59)が4日、高知県安芸市で行われている秋季キャンプに合流した。初日から約6時間、選手や首脳陣らと対話しながら精力的に指導。左投手中心に教える中で、プロ4年目の育成選手・島本浩也投手(21)の素質に高評価を与えた。
阪神での初指導。黒いジャージーに身を包んだ大野臨時コーチは、“虎の原石”を見いだした。「体は細いけどおもしろいよね。近いうちに(背番号が)2桁になる可能性はあると思うよ」。
通算148勝左腕の目に留まったのは島本だ。この日、初めて技術指導したのが育成左腕。サブグラウンドでのキャッチボールを見て、右足が外側に開くクセを見抜いた。「体重を内側にかけるようにしてるといい」とアドバイスを送った。
さらに、ブルペンに移ると、投球を後ろから食い入るように見つめた。「うまく体が使えている。コントロールも投げっぷりもいいし、腕の振りがいい」と来季5年目の左腕にほれこんだ。
育成選手とドラフト外。プロ入りした境遇は似ている。島本は同コーチの現役時代を動画でチェック済み。「僕も気持ちで投げるタイプ。積極的に聞きたい。吸収できればと思う」と、大野イズム継承に意欲をみせた。
大野コーチは、島本以外にも声をかけて回った。キャッチボールを見守った榎田には左膝の使い方。シート打撃を投げ終えた小嶋には「気持ちを強く持て」とゲキ。シート打撃登板後、ブルペンに向かった藤原には密着指導。制球など投球術について助言した。
グラウンドの至るところで対話した。一貫していたのは、まず自分の感じたことを話し、相手に質問して意見を言葉に出させる。最後にアドバイスを送る。初指導に当たった約6時間、首脳陣、トレーナーらと積極的に意見を交換した。
阪神の投手陣については「思っていたより、いい投手が多かった」。それでも精神的なもろさを感じ取ったという。「『気』はいろんな意味において必要」と力を込めた。気持ちで抑えろ。短期指導で虎投に闘魂を注入していく。