藤浪にエース3箇条 中西コーチ指令

 阪神・中西清起投手コーチ(52)が20日、来季で3年目の藤浪晋太郎投手(20)に対する飛躍の「3箇条」を掲げた。順調にステップを踏む右腕に対し、イニング数の増加と勝率アップ、さらに左打者対策をテーマとして、将来のエースに向けてさらなる成長を促していく考えだ。

 求めるものは、はっきりとしている。来年で3年目の右腕に対し、期待値はさらに高まる。将来のエースとして、いかにステップを踏ませるか。中西投手コーチが、藤浪の来季の飛躍に向けた「3箇条」を挙げた。

 (1)イニング数の増加

 昨年は137回2/3を投げ、2年目の今季は163回で規定投球回に到達。「(来年に)200イニングというとこまではない。高校を出て3年目になるし、5年ぐらいのスパンで考えている」と話す。“200イニング指令”こそ出さないが、「去年より下がりはしない」と今季以上の数字を求める。

 (2)勝率を上げろ

 今季の藤浪は11勝8敗。2年連続で2桁勝利を挙げたことは、期待に応えた結果だ。ただ「2桁は勝ったけど負けが多い」と振り返り、その上で来季の藤浪に数字で求める部分を問われると「勝率だな」と答えた。今季の勝率は・579。もちろん勝敗は打線との兼ね合いもあるが、さらに勝って、貯金をつくってもらいたい。

 (3)左打者対策

 昨年も課題に挙げられていたのが、対左打者への投球だ。今季も数字に表れた。右打者には298打数57安打で被打率・191だが、左打者には304打数93安打で同・306に。勝率を上げるために、さらなる対策が必要だ。

 中西コーチは、対策の一つとして「インコースへの真っすぐとかカットだな。それができれば抑えられる」と明かした。来春のキャンプから、本格的に取り組んでいく。

 ローテの軸となる能見は、契約更改の場で「その言葉(エース)から解放してくださいよ。僕がそんなん言われてるようじゃダメ」と、逃げる意味ではなく若手の台頭を望んだ。ただ、中西コーチは「まだまだ(エースは)能見や!」とピシャリ。期待するからこそ、あえて強く言った。

 まだ藤浪に「称号」を背負わせるのは早いが、将来に向けて重要となる来季。後継者として、さらなる成長を促していく。

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