藤浪「一本立ち」宣言!そしてタイ獲る
侍ジャパンに初招集され、日米野球に参加していた阪神・藤浪晋太郎投手(20)が21日、沖縄から帰阪した。プロ3年目を迎える来季はタイトル獲得を視野に入れ「一本立ち」を目標に掲げた。今季を超える180イニングを投げ、自己最高の成績を残すつもりだ。
正午過ぎ、少し疲れた様子の藤浪が那覇空港に姿を見せた。「もう来年のことを話すんですか?」。前日まで侍ジャパンとして日米野球を戦い、2年目を終えたばかり。苦笑いして来季3年目について口を開いた。
「しっかりやらないといけない。もっとしっかり自立するというか一本立ちしないと。一つの柱としてやっていかないといけないと思っています」
自分に言い聞かせるように「しっかり」と繰り返し、語気を強めた。プロ2年目はシーズンを通して、先発ローテを守り、11勝(8敗)防御率3・53をマークした。奪三振数172はメッセンジャーに次ぐ、リーグ2位。順調にエースへ階段を上っているように映るが、決して満足していなかった。続けた言葉に決意をにじませた。
「ある程度、自分の力で(勝ちを)つかみとりたい。今年はもったいない負けがあったので。(イニングは)180ぐらい投げたいと思っています」
3年目は「覚醒」のシーズンだ。現在メジャーで活躍し、目標とするダルビッシュ(当時日本ハム)、田中(当時楽天)は、3年目に殻を破った。それまでの成績を大きく上回る15勝を挙げ、一気に球界を代表する投手へ駆け上がった。
飛躍へのヒントはつかんだ。広島・前田、オリックス・金子らと積極的にコミュニケーションを図り、変化球の握り、調整法について聞いた。「いい経験をさせてもらいました。得るものが多かったです」と振り返る約2週間。金子に教わったチェンジアップは「投げてみないと分からない」と言うが、グラウンド内外で充実した日々を過ごした。
向上心も突き動かされた。侍ジャパンにはタイトルホルダーがズラリ。「獲れたらいいですけどね。自分だけのことじゃないので」と控えめに、タイトル獲得の意欲を示した。
「(来季の成績は)今年以上は最低限。超えないといけないと思っています」。ファン感謝デーの翌日、23日から早速、鳴尾浜で練習を再開する。12月も指定強化選手として、みっちり汗を流す。若きエースからエースへ。藤浪は本気だ。