江夏氏&掛布DC、来春Cは宜野座から
阪神が来年2月の春季キャンプで臨時コーチとして就任要請を行う江夏豊氏(66)、掛布雅之DC(59)の両者を宜野座スタートさせる方針であることが23日、分かった。江夏氏は左腕投手の強化、掛布DCは北條、陽川ら初の宜野座スタートとなる若手野手の指導が狙い。球団創設80周年のリーグ制覇を期し、レジェンドの力を結集する。
レジェンドの力が、宜野座のキャンプ初日に集う。中村GMは「日程は調整中」と前置きした上で「掛布DCにも宜野座からスタートしてもらおうと思っている」と方針を明かした。実現すれば球団史上屈指のエースと4番が選手にアドバイスを送ることになる。
もともと、江夏臨時コーチ案を球団に提唱したのは掛布DCだった。秋季キャンプ中に行われた球団首脳らとの食事会で提言。その場で江夏氏と連絡を取り、正式要請に向けて動き出したという。
76年の退団後、初めて阪神でコーチを務める江夏氏と現首脳陣のパイプ役を中村GMは期待。もちろん、指導面での効果も大きい。来春のキャンプでは北條、陽川ら今季、ファームで指導してきた若虎が初の宜野座スタートとなる見通し。過去、阪神特有の注目度、緊張感で有望な若手が自分を見失ってきた。
マスコミと首脳陣から期待をかけられ、本人にはどうしても力が入ってしまう。肉体だけでなく精神面の疲労も重なることで自分の打撃フォームを見失い、本来の輝きを失っていく危険性もある。
近年の最たる例は12年にプロ2年目で初の1軍キャンプに抜てきされた中谷だ。第1クールで持ち前の飛距離を発揮しながら、戦術的な打撃練習や蓄積疲労からフォームを崩し、キャンプ終了とともに2軍落ちした。
初の1軍キャンプで平常心を保てと言うほうが難しい。そこに掛布DCの存在があれば、若虎のメンタル面に余裕が生まれる。1軍首脳陣へ特徴や欠点などの引き継ぎもスムーズになる。
「第1クールの後半に安芸へ行ってもらって、また中旬に沖縄へ来てもらう」と明かした中村GM。江夏氏はキャンプイン初日から第2クール中盤までの指導となる予定。伝説的な2人から後輩にもたらされる助言の効果は計り知れない。