虎助っ人にカリブの怪人!第5&6の男
阪神が来季、外国人選手の6人体制を目指すことが27日、分かった。現状のマートン、ゴメス、メッセンジャー、呉昇桓の4人に加え、育成枠などで中南米系の選手を投手と野手で1人ずつ配備する方針。故障や不振などの事態に対応するための措置で、春季キャンプでのテストを含めて検討を重ねていく。
不測の事態はあってはならない。だが危機管理として、球団が異例の体制を整えることがわかった。助っ人6人体制-。球団幹部は「あと2人ほど中南米の選手を置いておいてもいい」と力を込めた。
今季は助っ人の活躍がなければ、日本シリーズ出場もなかった。4番・ゴメスは打点王、5番・マートンは首位打者を獲得した。投げてはメッセンジャーが最多勝、最多奪三振、200イニング到達と大車輪の働き。来日1年目の呉昇桓もセーブ王を獲得し、ポストシーズンではフル回転してみせた。
来季以降も同様の活躍が期待される一方、チーム編成で誰かが欠けた場合に生じる穴はとてつもなく大きい。シーズン中に代わりの新外国人を獲得しようとすれば、ビザの発給など手続きで1カ月程度を要する。その間に低迷すれば10年ぶりのリーグ制覇は遠のいてしまう。
だからこその危機管理。今季、広島はエルドレッドやキラが8、9月に不振に陥った際に、ドミニカ共和国出身のロサリオを要所で起用した。ロサリオは9月2日・巨人戦(長野)でサイクル安打を記録するなどし、この活躍が失速を防ぐだけでなく、逆にチームに勢いを生んだ。
すでに球団には米国の代理人から売り込みが来ており、来年2月の春季キャンプでのテストも検討している。中南米系の選手は特段の実績がなければ育成契約も可能。第5、第6の助っ人として採用し、主力の4人が離脱した場合に支配下登録するなど迅速な対応ができる。
鳥谷が海外FA権を行使していることから「理想はショートを守れるのが良いけど、そんな選手はなかなかいない。外野と投手を1人ずつという形になるのでは」と明かした同幹部。ゴメスの成功例があるように、中南米系の選手は身体能力が高く、ハングリー精神による強じんなメンタルは、甲子園の舞台にも合う。
05年以来、10年ぶりのリーグ制覇、そして日本一へ向けて-。タイトルホルダーのピンチに活用できる“ジョーカー”を探していく。