西岡、二遊間で勝負!センター構想一蹴
阪神・西岡剛内野手(30)が5日、西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、今季年俸2億円から2000万ダウンとなる1億8000万円で更改した。一部でセンター転向の構想がささやかれた来季ポジションについては、二遊間でのレギュラー争いに強いこだわりを見せた。
更改したばかりの来季年俸を問われると西岡は真顔で答えた。「5000万アップです」。インタビュアーが言葉に詰まると、「え、何か?ダウンだと思ってました?」とニヤリ。会見場の反応を見渡し、イタズラっぽく表情を崩した。
開幕カードで選手生命を脅かす重傷を負い、シーズンの大半を棒に振った。相応のダウン提示を受け入れ単年契約を結んだが、わずか10分の交渉が雪辱への熱意を表していた。
おカネの話ははぐらかした。それでも、核心をつく質問にはプライドをみなぎらせた。
「内野にこだわって、二遊間というものにこだわってやっていく。僕はまだまだ若いですから。一度ポジションが変わって、またそこに戻るというのは非常に難しい。単年契約したというところに僕の強い意志を持って…。ポジション(へのこだわりは)は強く持っていきたいと思う」
シーズン終了後、自身の外野転向をほのめかす報道があった。「僕はそういう話をしていない」。打診のない配置転換が派手に新聞の見出しに躍る。首をかしげざるを得なかったが、内野で定位置を争う意欲がうせるほど老け込んでいない。
昨季は故障離脱で二塁のレギュラーを上本に譲り、復帰後は三塁を守った。この日、球団が三塁手として獲得を目指してきた中島がオリックス入りを表明したが、補強の成否は西岡の眼中になかった。鳥谷のメジャー挑戦が決まれば、遊撃再挑戦だっていとわない。
「西岡がやってくれたと言われるようにチームを引っ張りたい。若い人に対して突き放したいという、強い気持ちを持っている」
11月に手術した右肘は「もう普通に動かせる」と言う。ギラつかせた目と心が、場外でささやかれたセンター構想を一蹴した。