梅ちゃん、金本バットで2ケタ弾や
阪神・梅野隆太郎捕手(23)が今季から、通算476本塁打を放った金本知憲氏(46)=デイリースポーツ評論家=のモデルのバットを使用することが26日、分かった。昨年末にグリップエンドを小指でしっかり握り、飛距離アップを狙える形に改良。“鉄人バット”で2桁本塁打と正捕手の座を狙う。
正捕手争いのライバルに差をつけるアピールポイントは長打力。本塁打増への方法を模索していた梅野が、金本氏の“相棒”と巡り合った。
新人だった昨季。序盤は順調だった。4月27日のDeNA戦でプロ初本塁打。7月1日のヤクルト戦では1969年の田淵以来、45年ぶりとなる新人での2打席連発も記録した。だが、8月17日のDeNA戦で7号本塁打を放って以降、アーチは出なかった。
「前半は本塁打が出ていたのに、後半は安打が出ても、本塁打が出なくなった。なぜかと考えたし、やっぱり魅力を消してはいけないと思った」
福岡大2年時から昨季までの4年間に使用したバットは、グリップがエンドに向けて膨らむ形状。左手の小指が浮くために力が抜け、操作がしやすい特徴を持つ中距離打者向けのバットで、長距離砲タイプではなかった。本塁打が出なかった原因には研究されたことや蓄積疲労もあるが、梅野はバット改良の必要性を感じていた。
昨年12月に行われたSSK社のミーティングで自らが動いた。数々のバットを手に取る中でしっくりきたのは、グリップエンドの膨らみがなく、小指までしっかりと力が入る形。それは通算476本塁打を放った金本氏が使用したモデルだった。
「しっかり握れて、小指まで力が入る。ヘッドの利き方が全然違う」。球団では10年の城島以来となる捕手での2桁本塁打を狙う若虎は、重さと長さは変えず、金本モデルを今季の相棒に決めた。
用具を提供するSSK社の担当者は「グリップエンドの膨らんでいた部分を取ることで、その部分が軽くなって、重心がバットの先へ行きます。遠心力を使えるバランスになります。ホームランバッターが使うタイプですね」と説明。現在製作中で、キャンプインまでに届ける予定だ。
梅野はこの日、合同自主トレのため沖縄に入った。「キャンプからはもう今までのタイプは使わない。新しいバットでしっかり打って試していきたい」。鉄人バットを手に、正妻への道を切り開く。