江越5割!プロと『初対戦』実力証明
「阪神春季キャンプ」(4日、宜野座)
飛ばすだけじゃない!!阪神のドラフト3位・江越大賀外野手(21)=駒大=が、フリー打撃で2年目の岩貞と対戦し、22スイングで11本の安打性の打球を放った。推定飛距離140メートルの一発など飛距離で注目されてきたルーキーは、プロの投手と“初対戦”で確実性の高さも見せた。
また新たな才能の片りんを見せた。江越は豪快さだけではなく、緻密さも兼ね備えていた。プロの投手との初対戦。乾いた快音を広角に響かせた。
対戦したのは13年ドラフト1位・岩貞。初球から3球連続、ボール球で迎えた4球目だった。ファーストスイングで、直球を捉えて中前にライナーをはじき返した。6球目は外角直球を逆らわずに右前打。11球目は内角直球をコンパクトなスイングで、左翼線へライナーを運んだ。
22スイングで安打性は11本。「自分の中では差し込まれている感じも多かった。待ちきれずに少し突っ込んでいる部分もあった」と反省の言葉ばかりを並べたが、注目を集めている飛距離だけではなく、確実性も兼ね備えていることを示した。
31球のうち9球がボール球と荒れていた岩貞に対して、打つべき球を選び、際どいコースにも対応した。和田監督は「実戦向き。スイングした球はほとんど芯で捉えている感じだった」とうならせた。さらに印象に残ったのは直球に力負けしないスイングだった。「まっすぐに力負けしない。スイングスピードもあるし」とさらに評価を上げた。
指揮官の期待度の高さは行動にも表れた。フリー打撃後には下半身の使い方について助言。練習の最後には約1時間、バントを指導した。1軍の戦力へと成長させたい思いが伝わる動きだった。
プロ初のキャンプで第1クールを終えた江越は、充実した表情を見せた。「疲れはあるけど、シーズンでは疲れた中でどういうパフォーマンスをするかが問われるので、それができるようにしたい」。左手は人さし指の根もとが裂け、中指はテーピングが巻かれている。それでも突き進むだけだ。期待の新星は泥くさく開幕1軍を目指す。