福留が柵越え67発!5番イケるで!

 「阪神春季キャンプ」(6日、宜野座)

 阪神・福留孝介外野手(37)が6日、全体練習後の居残り特打で226スイング中67本の柵越えを放った。見守った掛布雅之DC(59)はベテランのスイングに太鼓判を押し、5番を任せられると断言。今オフ、目立った野手補強ができなかっただけに、福留の奮起が猛虎打線を生まれ変わらせる鍵になりそうだ。 

 力強い打球が右翼席に突き刺さると、ケージ裏で見ていた掛布DCが思わず手をたたいた。福留が226スイング目にたたき出した完ぺきな弾道-。目を奪われるような美しいアーチ、そして67本の柵越え数が元気なベテランの姿を如実に物語っていた。

 客席で見守っていたファンも誰1人、途中で帰ろうとはしなかった。それほど見ていて“楽しかった”1時間。全体練習後の居残り特打で、福留のスイングは立て続けにアーチを描いた。

 軽く振っているように見えても打球は勢いよく伸びていく。タイミングが合わず、こすったような形になってもボールは失速せずスタンドに飛び込んだ。象徴的だったのは右翼ポール際の打球。過去2年のキャンプではフックしてファウルゾーンに落ちる打球が多かったが、ボールはラインを割ることなく真っすぐに飛んでいく。

 「良い感じとは言わないまでも、悪くはない」と確かな手応えを口にした福留。そのスイングを見守った掛布DCは「状態は間違いなくいい。右肩が開かないから、ポール際の打球が切れない。力んで飛ばしている感じじゃないでしょ」と称賛を惜しまない。

 クリーンアップを打てるかの問いにも、ミスタータイガースは「もちろん」と即答した。さらに「彼が5番を打てれば、マートンが3番を打てるでしょ。仮に1番・鳥谷、2番・西岡、3番・マートン、4番・ゴメス、5番・福留だったら、かなり怖い上位打線だと思うよ」と声を弾ませる。

 昨オフ、チームは目立った補強ができなかった。近年、野手の顔ぶれが変わらないチームは高い確率で下位に低迷している。昨年の虎も、一塁を争った新井が好調を維持しながらも、打線を変える目的でゴメスを抜てき。これが日本シリーズ進出の原動力になった。

 顔ぶれは変わらなくとも、今の福留なら間違いなく打線を変える、変えられるキーマンになる。「去年の終盤、良い形ができた。それをつなげて自分のものにできるように」と力を込めた背番号8。ベテランの存在感が、猛虎打線に新たな可能性を生み出す。

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