梅野バズーカ!盗塁2度刺し阻止率10割
「練習試合、阪神1-1楽天」(17日、宜野座)
強肩発動だ!阪神・梅野隆太郎捕手(23)が、練習試合・楽天戦(宜野座)で2度試みられた盗塁を2度とも阻止した。ここまでの実戦で盗塁阻止率は10割。全試合出場を目標に掲げる若虎が、打つだけではなく、守りでも正捕手へと前進している。
バズーカから放たれたような勢いだった。弾丸送球が、本塁から二塁へ一直線を描く。勢いを維持したままグラブに突き刺さると、大きな拍手が湧いた。梅野がまたも強肩でアピールした。
まずは三回、2死一塁。一走・岩崎が試みた二盗をストライク送球で阻止した。五回、1死一塁でもスタートを切った一走・岡島を、無駄のない動きから完璧な送球で見事に仕留めた。
15日の紅白戦では、西岡の2度を含む3度の二盗を刺した。これで実戦では5度盗塁を試みられて、すべて阻止。盗塁阻止率は実に10割だ。「機動力というか、楽天のチームカラーに対して準備はしていた。岡島さんは足も速いので刺せてよかった」。梅野は試合後、充実感を口にした。
2年目を迎えた余裕と経験が動きにも現れている。盗塁阻止には、投手と呼吸も合わなければならないが、バッテリー間にぎこちなさは見られない。和田監督は「走らせない、というぐらいのところまでいってほしい。梅野が(マスクを)かぶっていたら走れない、というね」と期待を寄せた。
昨季の盗塁阻止率・263はリーグ4位。初めてプロの投手をリードする不慣れの上に、捕球後の握りかえなど、課題が多い中で1年目としては上々の成績を残した。秋季キャンプ、オフを経て、進化を見せる若虎に他球団は警戒を強めた。
今年初めてキャンプを視察した広島・井生スコアラーは「梅野が目に付いた。あの送球を見るとなかなか走れない。彼が1年間、試合に出ると阪神にとっては大きい。変わったチームになる」。広島は過去に盗塁王を獲得した梵、丸ら俊足ぞろい。梅野の強肩は優勝のライバルに大きな脅威となりそうだ。
バットも健在だ。先頭の五回。菊池の直球をライナーで左前にはじき返した。「練習では良くないけど、結果を残すことが大切なので」。試合後は約1時間の特打を行い、球場を出たのは午後6時。全選手で最後だった。若虎は地道に、一歩ずつ、正捕手への道を突き進む。