西岡&鳥谷が特守70分&355球
「阪神春季キャンプ」(18日、宜野座)
西岡剛内野手(30)と鳥谷敬内野手(33)が、宜野座村野球場のサブグラウンドで1時間10分に及ぶ壮絶な特守を行った。2人がコンビを組んで行う特守は今キャンプ初。和田監督も駆けつける中、二塁のレギュラー奪取へ燃える西岡は泥だらけになり、「死にものぐるいだった」と語った。
全身泥だらけの西岡は胸を張って叫んだ。
「私生活はきちんとしています!!」
ノック150球目。二遊間の打球の反応にわずかに足がもつれると、容赦なくゲキが飛んできた。
「反応が遅いんや!遅いのは夜帰るのだけでええわ!」
ノッカーの高代作戦兼守備走塁コーチから大声でイジられ、フィールド脇に陣取ったファンや報道陣はドッと沸いた。目いっぱいの本人に笑う余裕はなかったが、守備位置に戻りながら反発した。
午後からのサブグラウンドは熱気ムンムンだった。今キャンプ初の西岡&鳥谷の特守が始まると和田監督も駆けつけ、2人の動きをジッと見守った。ともに20球ノーミスなら練習終了-高代コーチが課したルールは何度も頓挫した。5度目のチャレンジでラストまで残り5本となったとき、西岡が痛恨のファンブル。鳥谷は思わず苦笑し、声をからしていたファンからもため息が漏れた。計1時間10分。さばいたノックの数は両者で計355を数えた。
西岡「メニューに組み込まれていたので、しっかりやりたかった。この年になってああいう鍛え方をされることに感謝したいし、いいことだと思う」
鳥谷「しっかり足腰を鍛えるにはいい練習なので。僕自身は順調にきています」
昨季開幕の二遊間コンビが絶妙なコントラストを描いた。鳥谷が淡々とこなす一方、西岡は情熱的に打球を追った。捕球できない悔しさでミネラル水の入ったペットボトルをたたきつける場面もあった。遊撃は不動だが、二塁は上本との一騎打ち。和田監督は背番号7の動きについて、「体と気持ちが一致してくれば…」と期待を込めた。
西岡「死にものぐるいでやっています」
見る者の心を熱くさせる特守だった。