マートン松坂撃ち!開幕大丈夫打ァ~
「オープン戦、阪神0-3ソフトバンク」(4日、甲子園)
阪神のマット・マートン外野手(33)が今年の第1打席を“松坂撃ち”で飾った。日本球界に復帰したソフトバンクの松坂大輔投手(34)との対戦で、二回に鮮やかな中前打。宜野座キャンプで右太もも裏を痛め、調整が遅れていたが、3打席では物足りず、4打席目を“おかわり”したように体調面に問題はない。来日6年目の今年も、頼れる助っ人は打ちまくる。
低く鋭い打球が松坂の差し出したグラブの横を抜け、中堅の芝生で転がった。来日から37日目にして迎えた今年の初実戦。マートンの来日6年目は、“怪物撃ち”で幕を開けた。
先頭の二回。今年の初打席だった。カウント3-1。真ん中低めの142キロをたたき、二遊間を破った。
「どんな時でもユニホームを着て甲子園でプレーできるのはうれしいし、実績がある松坂さんと、伝統のある甲子園でプレーできたこともうれしかった」
待ち望んでいた対戦だった。高校野球好きとして知られる助っ人は、以前から松坂の横浜高時代の投球を映像で見ていた。
「高校の時に甲子園ですごい投球をしたことを知っていたし、日本で活躍し、メジャーにも行った素晴らしい投手。対戦できたことはいい思い出になった」。三回2死満塁では遊ゴロに打ち取られたが、野球少年のように対戦を楽しんだ。
約3週間後に迫った開幕へ向けて調整のギアも上げた。「(守備に就かない)DHなので1打席でも多く立とうと思った」と当初の予定を変更して、4打席目を“おかわり”。三振に終わったが、体調面に問題ないことを証明した。
2打席目以降は結果が伴わなかったが、「投手が6月ぐらいだとしたら、僕はまだ2月が始まったぐらい。きょうは泳がされたし、早い段階で球を見極められなかった。実際の球を打って感覚をよくしていきたい」と今後への課題を見つけた。
ようやくたどり着いた実戦だった。宜野座キャンプ2日目の2月2日に右太もも裏の筋挫傷を発症。本隊と離れてリハビリに取り組む日々が続いた。「フラストレーションがたまってイライラした」。それでもあくまで目標は開幕戦、3月27日の中日戦(京セラ)。チームに迷惑を掛けないために慎重な調整を続けてきた。
今後もDHで打席数を重ねて、状態を見て守備にも就く予定。「何カ月かぶりに試合に出たわりに、思ったよりもできたね」。優勝するためには欠かせぬ昨季の首位打者。開幕に向けて大きく視界が開けた。