「練習試合、ヤクルト６－１阪神」（１８日、神宮）

　慣れ親しんだ空気が、無我夢中で突っ走る緊張感を少し癒やしてくれた。阪神のドラフト３位・江越大賀外野手（２２）＝駒大＝がヤクルトとの練習試合で右前打を放ち、対外試合で４試合連続安打。大学時代に東都大学リーグを戦った神宮球場で、プロとして初めて安打を打った。前日はマルチ。「調子は上がってきている」と手応えを口にした。

　三回１死、石山の直球を捉えた。オープン戦では直球に差し込まれないことを常に課題に挙げ続けてきたが、この日は「真っすぐにタイミングを合わせていこうと思った。外の真っすぐをしっかり打てた」と言う。

　ただ、宿題も残した。三回１死一、二塁で二走の江越は上本の右飛の打球判断を誤り、帰塁できずに併殺。和田監督が「１軍クラスとしては寂しい」と言うミスに、「練習からしっかりやらないと」と痛恨の表情だ。

　リーグ優勝、明治神宮大会制覇など華々しい経歴を神宮で刻んできた。しかし「大学時代は楽なことばかりじゃなかった。苦しいシーズンも、調子が悪い日もあった」と頭に浮かぶのは苦い記憶ばかりだ。神宮の杜（もり）はすべてを包み込んでくれた。原点の場所で、ルーキーはまた気持ちを新たにした。