岩本916日ぶり星!度胸満点第5の男

 「ヤクルト1-2阪神」(1日、神宮)

 ピンチに顔色ひとつ変えない姿が頼もしかった。阪神・岩本輝投手(22)が7回5安打1失点の力投。2012年9月27日のヤクルト戦(神宮)以来となる916日ぶりの白星をつかんだ。単独首位キープ。ウソやない。ホンマもんや-。

 未来を切り開いた。大声援が降り注ぐ神宮球場の三塁ファウルゾーン。岩本は冷たい雨に打たれ、勝利の道を歩いた。7回を投げ5安打1失点。3年ぶり、916日ぶりに白星の味をかみしめた。

 「1人、1人に向かっていく気持ちを持って、どんどん飛ばしていきました。最初に勝てたのは大きい」

 強気で攻め続けた。初回、山田、川端を直球で連続三振を奪うと、三回まで打者9人をパーフェクト。二回には内角に食い込む143キロ直球で雄平のバットをへし折った。四回2死、初安打からの連打でピンチを招いたが、畠山をオール直球で三邪飛。最速145キロの直球を低めに集め、スコアボードにゼロを並べた。

 最大のピンチは七回に1点を失い、なおも背負った2死二塁。それでも攻めた。101球目も直球。森岡を二ゴロに打ち取り、リードを守った。

 過去の自分と決別した。2年目の12年、プロ初勝利を含む2勝をマークし、一躍、脚光を浴びたが、その後は伸び悩んだ。例年、年始は母校・南陽工で自主練習を始めるが、白星から遠ざかり「もうあまり声もかけられないです」と苦笑したこともあった。2軍暮らしが長く続いた昨夏には、鳴尾浜でこうつぶやいた。

 「(飛ばないと言われた)統一球だから、勝てたんです。長打も1本しか打たれなかったですからね」

 追い求めたのは直球の球威だ。昨秋キャンプで146キロをマークし、手応えをつかむとオフには「何か変えないといけない」と呉昇桓がグアムで行う合同自主トレに参加した。ウエートトレーニングの成果で体重は3キロ増の86キロまで増加。さらに右足を強く蹴るフォームを学び飛躍のヒントをつかむと、実戦の好結果で、初の開幕ローテの座を射止めた。

 和田監督は「粘り強く投げてくれた。立派だ。ローテに長く入れる若いピッチャーをつくっていかないと」と期待を込めた。敵地のヒーローインタビューで岩本は「この1勝で終わらず、どんどん勝っていきたい」と声を張り上げた。ようやく手にした先発ローテの座。もう手放さない。

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