“育成の星”島本2回0封1軍デビュー

 「ヤクルト9-2阪神」(2日、神宮)

 夢の場所へ、ようやくたどり着いた。阪神のシーズン6試合目に訪れたプロ初登板。4点ビハインドの六回、神宮に島本の名前がコールされると、三塁側スタンドが沸き返った。

 自分を信じて、強気に攻めた。先頭・荒木を142キロ直球で一邪飛に打ち取ると、川端も直球で中飛。山田には四球を与えたが、梅野が二盗を阻止。七回は先頭の雄平をフォークで空振り三振に斬った。「一番いいボールを投げられた」とリズムに乗ると、後続も断ち、2回1安打無失点。「最初のイニングは緊張したけど、2イニング目はしっかり腕を振れました」。育成入団選手としては球団史上初の開幕1軍を勝ち取った左腕が、鮮やかなデビューを飾った。

 飛躍の転機は昨年10月のみやざきフェニックス・リーグだ。首脳陣から助言を受け腕の振りを横から縦に。これがはまった。体重も5キロ増の72キロにしたことで、直球は最速146キロをはじき出していた。

 ユニホームを脱いだかつての仲間の夢も背負う。2010年度育成入団選手は島本を含め3人。ところが穴田は13年、阪口は14年オフに戦力外通告を受けた。昨年11月、支配下選手登録されたことを2人に電話で伝えると「連絡遅いわ」と突っ込まれたが、辛口の祝福がうれしかった。

 福知山成美から入団5年目。なかなか芽が出ず、「大学にいった方が良かったのかな」と悩んだ姿はもうない。次戦は伝統の一戦。「投げるところで、しっかり自分の投球をしたい」。島本のサクセスストーリーは、始まったばかりだ。

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