ゴメス4番の仕事や! 先制&V撃でG倒
「阪神2-1巨人」(18日、甲子園)
これが4番の仕事や!阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)がチーム全得点を挙げる活躍で、巨人撃破に導いた。まずは一回に中前へ先制の適時打。五回に同点に追い付かれたが、六回に鳥谷敬内野手(33)の犠打でつくった好機で左前に勝ち越しの決勝打を放った。息詰まる苦しい試合でつかんだ白星。昨年の打点王が勝負強さを取り戻してきた。
19歳左腕が投じた鋭く曲がる変化球に、バットの先で食らいついた。1-1の六回、1死二塁。ゴメスが巨人の先発、田口の低めのスライダーをねじり上げるように左翼前へと運んだ。「ボールがよく見えている。積極的だけど慌てず呼び込んで打てている」。一塁ベース上での2度の拍手はささやかな自画自賛だ。
プロ初勝利を挙げたばかりの田口の勢いに打線は手を焼いた。「非常にいいピッチングをしていた。いい真っすぐも、いい変化球も投げていた」。投げっぷりのよさを感じながらも、初回2死二塁から低めのチェンジアップを中前適時打。五回にその田口の適時打で同点とされると、六回に再び勝ち越し打を放った。
この回先頭の西岡が四球で出ると、続く3番鳥谷への指示は送りバント。「あまりないことなのでびっくりした。すばらしいバントだったので、いい結果につながってよかったよ」。あと1本が出ない打線の現状。振るわれたタクトに4番が応えた。
故郷のドミニカ共和国を離れ、米国を経て来日2年目。すでにチームのムードメーカーとも言える存在となったドミニカンは、3月中旬に来日した新外国人サンティアゴをすぐに食事に誘った。
神戸市内で鉄板焼きに舌鼓を打ちながら、同じスペイン語を母国語とするプエルトリコ出身の右腕と語り合った。「どんな人もリスペクトしないといけないし、雨が降っても練習し続けなければいけないよ」。常に謙虚でいることをアドバイスしたゴメス。その姿勢が、来日1年目の打点王へとつながった。
昨季、打率・307を残した得意の巨人戦での今季初マルチ。能見へ今季初勝利もプレゼントし、「すばらしいピッチングをしていたので、何とか助けてあげたいなという思いもあった」と振り返った。いまだ目覚めきれぬ猛虎打線。ただ、この助っ人の献身があれば、覚醒の時は近い。