上本が走者一掃V撃!阪神今季初4連勝

 「阪神5-1ヤクルト」(30日、甲子園)

 この勢いは本物や!阪神は1-1の七回、2死満塁で上本博紀内野手(28)が左翼線に決勝の走者一掃の二塁打を放った。これで今季初の4連勝で、借金は1まで減った。2日からは東京ドームで巨人戦。最高の形で宿敵の本拠地に乗り込む。

 上本から笑みがこぼれたのは、輝く殊勲打から29分後だった。最終回。試合終了でマウンドに駆け寄ると藤井からマスク越しに耳打ちされた。「ヒーローインタビューやろ?おもろいこと言えよ」。

 カーテンコールを浴びた今季初のお立ち台は視線が定まらなかった。「全員で…。福留さんと関本さんと…」。決勝打の場面を振り返ると一瞬後輩の名前が出てこなかった。「あと…俊介がつないでくれたチャンスだったので何とか打ちたいと思っていた。ファウルになるかと思ったけど、必死に食らいついていい結果になって良かった」。男前のリクエストには応えられなかったが、降り注ぐ大歓声を独り占めにした。

 寡黙な選手会長が大きな仕事をやってのけた。同点で迎えたラッキーセブン。2死満塁のチャンスで秋吉のスライダーを振り抜いた。「球種を狙わず、来た球を全部打とうと思っていた」。バットを放り投げ、ラインドライブが左翼線の内側で跳ねると全力で一塁へ駆け出した。走者一掃の決勝二塁打。三塁打で起点となった福留、死球の関本、10球粘って四球を選んだ俊介がつないだタスキを今季初の4連勝という、ステキなゴールへ運んだ。

 苦しみを乗り越えつつある。開幕から2番を任されながら打撃不振に陥り、9日DeNA戦で7番に降格した。一時は打率・132まで下降したが、16日の中日戦で昨季務めた1番に復帰すると、水を得た魚のように上昇曲線を描いた。

 不振を極めた4月半ば、拠(よ)りどころと慕う先輩に冗談っぽくおねだりした。「藤井さん、最近癒やしが足りないですよ」。初めてレギュラーとして働いた昨季、新井貴浩と藤井の存在に何度も励まされていた。昨冬、広島移籍する新井の送別会が大阪で開催されると、人目をはばからず感極まった。「僕の中で家族のような存在だと思っていたので…」。精神的な独り立ちが試されるシーズンだという自覚もある。

 九回、ユウイチの一、二塁間のゴロにダイビング。走者を許さず再び歓声を浴びたが、ゲームセットまで顔色を変えなかった。「いろいろ厳しいことも言われるけど、シーズンは長いので全力で戦っていきたい」。会心のゴールテープを切るまで、上本は心の底から笑わない。

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