マートン惨敗でキレた?
「巨人10-3阪神」(3日、東京ド)
阪神が屈辱の敗退で、巨人に2連敗を喫した。打線は巨人の新人・高木勇をKOまであと一歩まで追い込みながらも詰めを欠き、投手陣は2桁失点と炎上。試合後、阪神のマット・マートン外野手(33)が報道陣に対していら立ちをあらわにしたが、それが現在のチーム状況を象徴していた。波に乗れない和田虎。4日は本拠地に場所を移し、中日を迎えるが、戦う熱い姿を見せてくれ!
ピリピリしたムードがチーム内に漂っていた。宿敵・巨人に痛恨の連敗を喫した試合後。選手では最後にロッカーから出てきたマートンが、いら立っていた。通訳が質問を受け付けない中、鬼の形相で廊下を歩いた。
それでも追いすがるカメラマンに対して助っ人が目をつり上げ、キレ、取り巻くカメラマンを追い払った。怒っていた理由は不明だが、そのいら立ちが現在のチーム状況を象徴していた。
ここまで2度対決し、4月5日には完封負けを喫した高木勇が相手だったが、この日は明らかに本調子ではなかった。二回は藤井の遊ゴロの間に1点を先制。続く三回は無死満塁と絶好のチャンスを迎えた。ゴメスが二飛で凡退後、福留の中犠飛で追加点。一気に行きたいところだが続くマートンは投ゴロに打ち取られ、たたみ込めなかった。
「三回ノーアウト満塁で1点しか取れなかった。今日は高木は状態が良くなかった。もう1、2点取って流れを持ってこないといけない」。和田監督は嘆いた。
1点を追う五回2死後には鳥谷、ゴメス、福留の3連打で1点をもぎ取り同点。なお一、三塁と勝ち越しのチャンスだった場面でも、マートンは二直に倒れた。連続安打も7試合で途切れた助っ人のブレーキが敗戦に直結。投手陣も2度目の2桁失点と投打ともふがいない結果となった。
前日にはポレダに3戦3敗を喫した。この日は高木勇との3度目の対決で2敗目。虎将は野手に出した指示について「バッティングコーチに聞いて」と多くを語らず、関川打撃コーチは「コントロールもいい。そう簡単には打ち崩せない」と厳しい表情だ。
今後の対策はあるのか。「終わったこと。今から攻略法を考えても」と言葉を濁した指揮官。同じ轍(てつ)は踏めない。プライドに懸けてもポレダ、高木勇にこれ以上やられるわけにはいかない。4連勝で乗り込んだ敵地でたたきのめされた虎。今こそ立て直し、奮起せよ-。