上本、2番起用に応え唯一マルチ安打
「阪神3-8広島」(8日、甲子園)
阪神・上本は2番起用に応えようと必死だ。バッテリーの乱調で試合が序盤に崩れ、猛虎党の歓声がしおれかけていた終盤。選手会長が反撃の口火を切った。5点を追い掛ける七回。2死一、三塁の場面で広島2番手の今村を捉えた。1ストライクから外寄りの速球を右前へはじき返し、ビハインドを4に縮めた。
打線は今季初登板初先発の戸田に手を焼いた。ウエスタン・リーグトップの6勝を挙げて昇格した左腕を打ち崩せない。中盤までは三回に西岡の犠飛で1点を返すのがやっと。定まらない制球でかえって的を絞れず、ことごとく「線」がついえた。
なんとか突破口を!背番号4のそんな覇気がスイング、走塁に表れた。先頭打者に立った六回。戸田の直球を目いっぱい振り切り左線へ運んでチャンスメークすると、鳥谷四球の後、ゴメスの打ち上げた中飛で三進。福留の二ゴロの間に2点目のホームを踏んだ。
1死二、三塁で迎えた最終回は三ゴロに倒れ、劇的なイニングは演出できなかった。打席での感覚を問われた上本は「分からないです」と答え、うつむき加減でクラブハウスへ消えた。
今季は2番で開幕を迎えたが、4月9日DeNA戦で7番へ下がった。その間の打率は・132。低調では打順降格も仕方なかったが、4月16日の中日戦で昨季務めた1番に復帰すると、輝きを取り戻した。
再び打撃が下降気味と見ると、和田監督は5日中日戦から2番に据え戻し、この日は4打数2安打。2番で3戦を10打数5安打、打率・500と結果を残している。
4日の中日戦で今季継続していたフルイニング出場が途切れたが、上本が年間を通じてオーダーに名を連ね続けることが、てっぺんを見据える15年打線の前提条件になる。
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