能見勝った笑った!1カ月ぶり3勝目
「DeNA2-4阪神」(23日、横浜)
負の連鎖を鮮やかに断ち切る。この試合は負けられない。粘りが実を結んだ3勝目。ハイタッチの列に、久々の笑みが浮かんだ。「勝てて良かったです」。踏ん張りどころの一戦。阪神・能見が勝った。
「(自分が)マウンドに合わせられなくて、藤井さんも苦労してましたし。八回ぐらいが一番良かったです」
サヨナラは許さない。序盤から本調子でなかった中、藤井いわく「フォークをチェンジアップのように使って」修正を図り、八回まで1失点。1点リードの九回に、1死二塁からバルディリスに同点打を許したが、崩れなかった。「抑えられて良かったです」。後続を抑えて延長戦に。この意地が福留の勝ち越し打につながった。
自身は5月に入って3連敗中。「(心が)病んでるわ(笑)」。ポーカーフェースのイメージはあっても、繊細なハートの持ち主。折れそうな気持ちを懸命に支え、自分を信じ、これまでと同じような調整に励んできた。
「今年から、サプリメントを飲み始めた。トリ(鳥谷)にも聞いたりして、ウエートの前後とかにも飲む」
オフの自主トレ期間から意識的にウエートを行う中、体重は2月頃から約2・5キロの増量に成功しているという。「サプリメントの効果は出てる。やっぱりいろいろとやっていかないといけないし」。長いシーズンを見据えた肉体改造は、まだ道半ば。ユニホームの下に隠れていても、逆襲に向けた準備は着々と進んでいる。
前夜はサヨナラ負けの上に、西岡が負傷交代。さらにこの日は呉昇桓も体調不良で投げられない状況だった。「自分の仕事をして、しっかり一人一人抑えていくだけなんで」。苦境でこそ余計に存在感が際立つ。単なる勝利では収まらない勝利の価値。能見の強さが見えた。