また福留だ!連夜のサヨナラ劇の立役者
「交流戦、阪神4-3楽天」(28日、甲子園)
前夜のリプレーを見ているようだった。延長十一回。マウンドには戸村。結果は本塁打ではなかったが、押し出し四球で2日連続のサヨナラ勝ちへ導いた。球団通算5000勝。阪神・福留が歴史的1勝の立役者となった。
「そういう中に一つでも貢献できてるということはいいことだと思う。まだまだ(シーズンは)続くし、もっともっと積み重ねていければと思う」。阪神移籍3年目。節目に関われたことを、心から喜んだ。
延長十一回2死満塁。フルカウントからの6球目だった。戸村が投じた内角低めの直球を見送り、試合を終わらせた。
「とりあえず勝ったということはよかった」。今季最長となる4時間44分の試合後、お立ち台では疲労を隠せなかったが、「早く帰れると思いました」とジョークを飛ばし、球場に笑いを巻き起こした。
劇的勝利への流れは自らつくっていた。六回。マートンの犠飛で1点を返して、なおも2死一塁。菊池の直球を捉えて右翼線へ適時二塁打。6試合連続打点で反撃への機運を高めた。八回1死は右中間を破る二塁打を放ち、伊藤隼の適時打で生還。最後までグラウンドを駆け回った。
4月に38歳を迎えたが、今季は先発を外れたのは49試合中3試合だけ。若手に負けない元気な姿を見せている。その背景には日々の積み重ねがある。
甲子園で試合の日はグラウンドに出ると、アップ中は本隊と離れて、ランニング中心の別メニューをこなす。ゴールデンウィーク明けからは外野でのポール間走もメニューに加えた。「夏場を見据えてね。やっぱり走る量は気にしているからね」。先を見据えた取り組みが結果にもつながっている。
「流れが来ているのでそれに乗りたいね」。連夜のヒーローは軽い足取りで引き上げた。