能見誤算…快投一転「バテただけです」
「交流戦、西武9-4阪神」(31日、西武ド)
ベンチから放物線の行方を見つめた。猛虎をどん底に突き落とす特大の一発。七回途中で降板した阪神・能見の星が白から黒に変わった。
4-1の七回、流れが暗転した。先頭木村に浴びた内野安打からピンチを招き、犠飛と適時打で2点を失う。さらに、栗山に四球を与えたところで降板。2番手安藤が2死後、4番中村に手痛い逆転3ランを浴びた。
「バテただけです」
球場名物の長い階段を上りながら、敗戦の責任を背負い込んだ。しかし、六回に予兆があった。中村を空振り三振に仕留めると中西投手コーチがマウンドへ走った。「(左手を爪で)ひっかいていたからチェックした」。能見は「影響していない」ときっぱり否定したが、続くメヒアに痛恨の適時打を浴びた。
「飛ばしていった」と振り返ったように、五回まで全く危なげなかった。四回はクリーンアップを3者連続三振。三塁さえも踏ませず、スコアボードに0を並べた。六回までの球数は88球。和田監督は「下位打線だから行かせたわけじゃない。七回は能見にしのいでほしかった」と託したが…。西武打線の勢いにのみ込まれた。
これでリーグワーストの6敗目(3勝)。防御率3・28と決して状態は悪くないだけにもどかしい。勝利への歯車がかみ合うまで、じっとこらえたい。