藤浪まさかの急変…連続無失点止まった

 「交流戦、阪神9-8ロッテ」(3日、甲子園)

 野球の怖さを思い知らされた。バックスクリーンへ消えた今江の3ラン。8点差を追いついたロッテの底力。悲劇の光景を、阪神・藤浪はベンチから見届けた。

 一瞬の静寂が悲鳴に変わる。大量8点リードの七回、今江の打球に右翼・伊藤隼が中途半端に突っ込み、後逸。無死三塁のピンチとなり、中西投手コーチは内野陣に前進守備を指示した。継続していた藤浪の連続無失点のためだった。

 ここを抑えてこそ、エースだ。力強くうなずいた藤浪は、カットボールでクルーズを空振り三振。続く根元も打ち取った…はずだった。ところが、二塁・上本が打球をはじき、連続無失点イニングは32でストップした。

 「続くに越したことはないけど、いつかは取られるものなので。点の取られ方が良くなかった。頑張って抑えないといけなかった」

 その後2死となったが、あと1つのアウトがあまりに遠かった。代打・井口に2点二塁打を浴び、清田に四球、鈴木に適時打されたところで無念の交代。6回1/3を投げ、6安打6失点。「自責0点」の数字が不運を物語る。

 「点を取ってもらっていただけに、完投しなければいけなかったです。七回は流れを止めきれませんでした」

 イニング途中の降板に藤浪は唇をかんだ。それまではロッテ打線を圧倒していた。初回こそ不安定だったが、無死一、二塁を2三振で切り抜けると、もう、いつもの藤浪だった。同級生田村にはこの日最速の157キロを計測した。

 六回を0点に抑えると、無失点記録は井川慶の31回を上回った。あとは完封を目指して、バッキー、村山実の34回に近づくだけ。ところが、残酷な結末が待っていた。幻と消えた4勝目に、「自分が完投していれば勝てた試合」と切り捨てた。サヨナラ勝利も藤浪が地獄を見た。

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