サヨナラ勝ちも…和田監督「喜べない」

 「交流戦、阪神9-8ロッテ」(3日、甲子園)

 何とか勝った。連敗は止めた。阪神は8点のリードを追い付かれ、最悪のムードになったが、8-8の延長十回、1死満塁から鳥谷敬内野手(33)が犠飛を放ち、サヨナラ勝利。今季6度目のサヨナラ勝利だったが、喜べる勝利ではなかった。和田監督も「心から喜べない」とぶ然とした表情。それでも勝った事実だけは間違いない。

 延長十回。1死満塁から鳥谷が犠飛を放ち、本塁周辺では歓喜の輪ができた。今季6度目のサヨナラ勝ち。しかし一塁ベンチから、その光景を見つめていた和田監督の表情は、こわばっていた。

 「これが野球。絶対に隙を見せてはいけない。教訓にしていかないといけない」

 六回を終えて8点の大量リード。マウンドには藤浪。甲子園のスタンドから見つめる虎党の誰もが勝利を確信していたはずだ。しかし、七回、たった一つの判断ミスが悲劇のきっかけになった。藤浪が先頭の今江に右前へはじき返された。これを伊藤隼が中途半端につっこみ、打球を後逸。転々とする間に、三塁まで進まれた。記録は三塁打。だが、点差を考えれば、単打でいい場面だった。

 和田監督は伊藤隼のプレーに厳しい表情を浮かべた。「(打球を)止めないといけなかった。展開からしても無理するところではなかった」と苦言を呈した。

 無死三塁。ここでベンチは藤浪の無失点記録を気遣い、前進守備を敷いた。これが結果的に裏目となり、1死から根元の二塁へのゴロを上本がはじいて失点(記録は失策)。心理面で変化があったのか藤浪の投球が高めに浮き、打ち込まれた。2番手の高宮も相手の勢いを止められない。そして3番手の松田が今江に3ランを浴びて8-8の同点に追いつかれると、あきれた虎党はラッキーセブンのために用意していたジェット風船を打ち上げ、球場内は異様な雰囲気に包まれた。

 結果は延長十回にサヨナラ勝ち。和田監督は「反省点?今日は1つではない。勝つには勝ちましたけど反省点は多い。心から喜べる状態ではない」と歯切れが悪かった。貧打に泣いていた打線が今季最多の17安打を放ち上向いているのは光明だが、決して心から喜べる勝利ではなかった。

 勝ったことは確かによかった。ただあわや歴史的大逆転負けの危機に陥ったのは事実。こんな試合はもう誰も見たくない。

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