柴田、大谷キラーや 青木打法で2安打
「交流戦、阪神1-0日本ハム」(6日、甲子園)
阪神・柴田には大谷を撃たなければならない理由があった。1軍昇格即スタメンの男にとって酷な相手ではあったが、師匠顔負けのスイングで不沈艦に土をつけた。
「毎晩、ヨメさんが録画してくれたビデオを見ていました。技術的なことも、打つイメージも、あの人を見て学ぶことは本当に多いですし、電話をもらったり、心配してくれていましたから、何とか活躍する姿を見せないといけないんですよ」
四回先頭。大谷の150キロをシュアに振り抜き、中前にはじき返した。この一打が無敗右腕を沈める突破口になった。試合後、大谷は2死一、三塁から上本に決勝打を許したフォークが甘くなったことについて「三塁に走者がいたので…」と振り返った。マートンの右前打で三進し、両軍唯一の得点を刻んだ背番号00のことが憎らしく映ったに違いない。
前日5日の夕方に昇格の連絡が入り、この日の練習前にスタメンを告げられた。「速い球に負けないように」と打撃練習で極端なほど早い始動を心掛け、初回の左前打を含む2安打につなげた。
一昨年、米大リーグ・ジャイアンツの青木宣親に弟子入り志願し、オフは合同自主トレを行う。柴田は青木を「鏡」と表現するが、その意は文字通り「お手本」であり、「自分を写すもの」だ。歩美夫人が青木の出場試合をすべて録画し、ファームの試合後も映像とと向き合った。2軍で残した打率・367は「青木さんのコピー」のたまものでもある。門下生の名を汚さないために、柴田は大谷撃ちの2安打を次に生かさなければならない。