ゴメス V撃で首位・巨人に1・5差
「交流戦、ソフトバンク4-5阪神」(10日、ヤフオク)
猛虎逆襲-。阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が同点の三回、決勝の2点適時二塁打。4安打零封負けを喫した前夜の借りを返し、昨年から続くヤフオクドームの連敗を4で止めた値千金の一打。首位・巨人に1・5差。昨年の日本シリーズで煮え湯を飲まされた武田を全員で打ち破れ-。
ゴメスは「それは話せないよ」と首を横に振った。勝利の立役者は帰りのバスに乗り込む際、試合前のワンシーンを問われた。和田監督から受けていた打撃指導の中身について…。ニヤリとけむに巻き、報道陣に背を向けバスに乗り込んだ。
和田監督も試合後の会見でその内容に触れず、講座内容は分からないまま。それでも序盤に貴重な勝ち越し打を放ったのは、勤勉なドミニカンだった。
同点の三回2死一、二塁。4番が中田の外角140キロを逆方向へ振り抜いた。打球は今季から新設された右翼テラス席を襲う。本塁打か…。和田監督が抗議に出るほど際どい右翼フェンス直撃の大飛球で2者が生還。鷹から主導権を奪った。
「捉えた感触はあったんだけど、ライトが捕れそうな感じだったのでフライアウトになってしまうかと思ったよ。二回に同点に追いつかれてしまったけど、すぐに取り返せたのは大きかった。フェンスが近くなってラッキーな部分があったね。今年からテラスができたけど、僕はコースに逆らわずに打つことだけを考えているから、特に気にならないよ」
今季はまだ5本塁打。物足りなさは否めないが、敵軍から研究される「2年目」は誰だってそう簡単ではない。それが分かっているから、開幕前から「謙虚」に臨んだつもりだ。キャンプ中、和田監督が暴露したゴメスの「40発宣言」も実は誤解だった。1月末、母国ドミニカでパスポートの盗難被害に遭い来日が遅れた。調整遅れが懸念されたが、宜野座キャンプに合流した2月8日、指揮官と談笑。「今年は35本だな」「いや、40本は打ちますよ!」。そんなやりとりが交わされた…と指揮官は取材陣に打ち明けたが、ゴメスは後日、その報道を聞かされ、苦笑いした。
「それは、少し誤解があったかもしれないね。あのとき具体的に40本打つ!とは言ってないんだ。頑張ります!というようなことは言ったんだけどね」
豪快アーチに匹敵する値千金の一撃で鷹虎第2ラウンドをモノにした。第3戦は昨年の日本シリーズで封じられた武田が相手。ゴメスには博多でまだ大きな仕事が残されている。