鶴岡プロ初の5打点 11得点爆勝呼んだ

 「交流戦、阪神11-4日本ハム」(16日、甲子園)

 開けてビックリ玉手箱や-。阪神・鶴岡一成捕手(38)が二回に先制の2点適時打を放つと、四回には走者一掃の3点適時二塁打。プロ初の5打点に移籍後初の猛打賞と大爆発。交流戦最終戦を今季最多11得点の白星で飾り、2年ぶりの交流戦勝ち越し。首位・巨人と2差。リーグ戦再開が待ち遠しい。

 鶴岡は「上本の粘り」に応えようと必死だった。「うえぽんがあれだけ粘って、四球を取ってつないでくれたチャンスだったんで、それを無駄にせず、走者をかえすバッティングができて良かった。僕も一応、バット振れるんで…。必死こきました」。兵庫・高砂出身の38歳が播州(ばんしゅう)なまりでスタンドの歓声を独占した。

 岩田の50勝目をリードしたベテラン捕手が交流戦勝ち越しを決める大仕事だ。四回。2死一、三塁から上本が鶴岡のお株を奪うように12球ファウルでカットし、計16球粘って四球を選んだ。これで満塁。打者一巡のアットバットは、白村の2球目フォークをかっ飛ばした。左中間を破った打球が湿った芝で転々とする間に走者一掃。3点を奪い、この回一挙7点のビッグイニングのトリを飾った。

 「僕も結構粘るほうなんで…。どれだけ点差があっても、ああいう粘りというものはチームにとってすごく大切だと思うんでね」

 鶴岡と言えば「粘り」の象徴だ。思い返せばDeNA時代の13年8月。巨人の山口を相手に19球粘って三振したことがある。1打席19球は今もプロ野球タイ記録。ネクストで上本のファウルを眺めながら、鳥肌が立っていた…かもしれない。

 3時間20分、今季最多11得点の圧勝劇を巻き戻せば貴重な先制点も粘りの鶴岡だった。二回。上本が三塁線二塁打でチャンスメークした1死二、三塁から、打率1割台のベテランが8球粘って152キロを右前へ運ぶ2点適時打で主導権を奪った。「2球で追い込まれてしまったけど、何とか粘ってヒットゾーンへ打ち返せたらと思っていた」と、自身出場6試合ぶりの適時打を振り返った。

 七回には斎藤佑から右前打を放ち、移籍後初の3安打猛打賞、そしてプロ20年目で初の1試合5打点。「打撃で期待に応えられなかったので貢献できてうれしい」と、顔を紅潮させた。

 鶴岡のビッグな活躍で最終戦を飾り、交流戦のセ・リーグ勝率1位が決定。過去10年でセの最上位球団はすべてAクラス入りし、うち6度優勝という吉兆データも残る。心地よくリーグ戦再開を迎えられるのは、粘り勝った鶴岡のおかげだ。

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