マートン尻に火1号!最遅254打席目
「阪神4-1ヤクルト」(20日、甲子園)
よし、2位浮上や!阪神はマット・マートン外野手(34)が、今季65試合目にして初アーチを放つなど、攻撃陣が4点を奪い、リーグ戦再開初戦を白星で発進した。ここまで不振の助っ人に待望の一発が飛び出したのはプラス材料。今からでも遅くはない。1・5差の首位巨人に追いつき追い越すために、もっともっと打ちまくれ!
チームの浮上に欠かせない助っ人が、意地の一振りだ。0-0の二回。マートンが、石川のカーブを捉え、振り抜いた。左翼ポール際に吸い込まれる先制の今季1号ソロ。開幕から65試合目、254打席目での初アーチとなった。
「自分としてもやっと1本出たし、交流戦明け初戦のゲームで早い回に先制点が取れて良かったよ」。2012年の44試合目を上回る、自身にとって最も遅い一発を満足げに振り返った。
ここまで極端な打撃不振にあえいでいた。交流戦終了時点で打率・243、0本塁打19打点。想定外の状況に、球団も水面下で動いた。米大リーグ・レッドソックスからFAとなったカルロス・ペゲーロ外野手(28)ら、メジャーで実績のある選手をリストアップ。この日、球団関係者は「(今後の)1週間で見極める」と話した。マートンの状態が上向かなければ、新助っ人獲得に乗り出す方針は変わっていない。
本人にも危機感はあっただろう。そんな状況下で今季1号をぶちかまし、周囲の不安を少しだけ取り除いた。マートンは「今日はいい勝利だったと思う。1試合1試合、自分のやるべきことをやっていきたい。もう少しだね。あしたも頑張ります」と前向きにコメントした。
和田監督もやや安心したような表情を浮かべた。「一発に関しては内容が良かった。後の打席の内容も良かった」。ただ、これまでも何度か復調の兆しを見せながら、継続できずにきた。
この日も2安打こそしたが、五回に外角いっぱいの真っすぐに見逃し三振に倒れると、バットを放り投げ、不満は隠さなかった。ストライクゾーンの判定にイライラを募らせるシーンは今季おなじみ。だからこそ指揮官は「またあした見て。内容が良ければ上がってくる。あした、また期待したい」と慎重な姿勢を崩さない。
チームは連勝で4月6日以来の2位に浮上した。1・5差で追う首位巨人をとらえるには、マートンが昨季までの打棒を取り戻すことが不可欠。今度こそ本当の完全復活であることを、誰もが望んでいる。