猛虎がGに並んだ!でも…セ界貯金消滅
「広島6-6阪神」(23日、長野)
阪神は延長十二回、チーム今季最長の5時間13分(中断34分間)の激闘の末、引き分けた。1点リードの九回、守護神・呉昇桓投手(32)が追いつかれたが、その後はリリーフ陣が踏ん張った。勝率・500は、首位の巨人と同率。富山で仕切り直しの首位奪取に挑む。
鋭いライナーが右翼線に伸びた。首位奪取まで、あと3アウト。ベンチは守護神に全てを託したが、シーソーゲームは終わらなかった。1点リードの九回、無死一、二塁。呉昇桓が丸に右翼線適時二塁打を打たれ、同点に追いつかれた。
「きょうは四球を出したのがいけなかった。途中からじゃなくて、最初からやらないといけない。点を取られてからでは遅い」。試合後、守護神は自分を責め続けた。
ベンチは全幅の信頼を置く守護神で逃げ切りを図っていた。一塁ゴメスに代えて、坂を守備固めに起用。外野も左翼に俊介、中堅に大和で固めた。ところが先頭・会沢に四球を与えると、続くバントの構えの代打・野間に死球。傷口を広げると、第3打席に本塁打を放っていた丸を迎えた。カウント2-2からの5球目。真ん中高めの直球を完璧に捉えられた。
それでも気持ちは切れていない。2番菊池を三ゴロ。代打松山は歩かせて、1死満塁。守護神が意地を見せ、新井を浅い右飛、続くエルドレッドはこん身の石直球で、空振り三振に斬った。勝ち越しは許さなかったが、結果的に丸への1球が痛恨となった。
今季の救援失敗は4月19日の巨人戦(東京ドーム)、6月2日のロッテ戦(甲子園)に続いて3度目。来日1年目の昨季、39セーブをマークし、セーブ王に輝いたが、納得していなかった。シーズン終了後「4敗という数字以上に6回のセーブ失敗が悔しい。できれば3つぐらいに抑えておきたかったです」と2年目にノルマを課していたが…。
ベンチに残った選手は梅野だけ。リリーフ全員をつぎ込み、死力を尽くした。勝てなかったが負けなかった。和田監督は「きょうはつかまったけど全力を尽くした結果。ベンチ全員が死力を尽くした。よく頑張った」とナインをたたえた。
首位の巨人が敗れたため、ともに勝率・500。勝ち数で上回る巨人が首位だが、勝率では並んだ。富山に移動し、広島と決着をつける。