上本は恐怖の6番!GM砲凡退後に快打
「阪神5-3DeNA」(27日、甲子園)
鮮やかな連弾で締めくくられた逆転勝利にも、流れを左右する分岐点は確かにあった。もしも無得点に終わっていたら…。一度は沈みかけた追い上げムード。粘りの阪神・上本が再び火を付け、貴重な得点を叩き出した。
2点を追う四回。先頭の福留の三塁打で無死三塁に。少なくとも1点は、という流れの中、ゴメスとマートンがいずれも投ゴロに倒れる。
2死三塁となり、ざわめくスタンド。和田監督も「あそこで打てないと流れ自体が完全に向こうにいってしまうところ」と振り返った嫌な空気。それを上本が打破した。
「いつもと一緒です。食らい付くだけでした」と上本。執念の一振りは、2-2からの6球目だ。井納の投じた外角フォークに反応すると、はじき返した打球は三遊間を破る左前適時打となり、1点差に迫った。自身4試合ぶりとなる打点で、傾きかけた流れを再び引き寄せた。
和田監督が「今日は、あの2点目がないときつかったなあという、それぐらいポイントになる1点で、価値のある2点目でした。追いかける上での」と称えた働き。ゼロで終わらなかったことの価値。スコアボードに刻まれた四回の「1」は、数字以上に大きな意味を持つ得点だった。