能見粘った 緩急駆使し対巨人20勝
「阪神4-2巨人」(22日、甲子園)
猛虎の歴史にその名を刻んだ。チームトップタイの今季7勝目を挙げた阪神・能見が球団6人目の巨人戦通算20勝に到達。自身通算80勝(66敗)も下柳剛氏に並ぶ球団15位タイの快挙だ。「長くやっていればね」。甲子園の伝統の一戦。節目の勝利を飾るにふさわしい舞台だった。
「今日はそんなに良くなかったね。真っすぐというより、変化球でストライクをほしいところでほとんど取れなかった。よく守ってくれたし、リリーフも頑張ってくれました」
決して、本調子ではなかった。三回以降、は毎回走者を背負う苦しい投球。3点リードの五回は井端の中前適時打で2点差に。なお一、三塁とピンチは続いたが、坂本を内角フォークで空振り三振。「うまく緩急を使わないと」。直球と2種類のチェンジアップを軸に、6回6安打1失点にまとめた。
ブレークのきっかけも巨人戦だ。09年7月19日。9回2安打無失点12奪三振の快投で、白星を手にした。「あそこで変わった。これでいけると思った」。同年、13勝(9敗)をマークし、一気にエースに上り詰めた。12年9月15日からは14カード連続で同戦に登板。ファンの期待、猛虎のプライドを背負って、投げ続けた。ちょうど6年前の夏、伝統の一戦でつかんだ手応え。今も忘れていない。
2つの快挙に和田監督は「何年も投げている。研究心を持ちながら、やってほしい」とさらなる期待を口にした。プロ11年目。エースの座を返上しても、存在感は別格だ。今季もGキラーとして、伝統の一戦のマウンドに立ち続ける。