江越がプロ初の猛打賞に「びっくり」
「阪神3-0DeNA」(26日、甲子園)
結果と祝福が少しだけ前夜の傷を癒やしてくれた。阪神・江越がプロ初の猛打賞。「自分でもびっくりしています」。お立ち台で万雷の拍手を浴びたルーキーが、笑顔を取り戻した。
25日のDeNA戦は適時失策を犯して、プロ初の3三振。試合後はもどかしさが残った。「普段通りではなかった」。それでも気持ちを整理。リベンジをかけた一戦で、全てを出し切った。
安打を放った3打席全てで見せ場をつくった。二回無死一塁は初球のスライダーをフルスイングで空振り。スタンドをどよめかせた後に左前打を放った。
前夜と同じ失敗も繰り返さなかった。五回2死一、二塁での2球目。ボール球のスライダーに手が出た。「(相手バッテリーは)きのうから低めを振らせたいという考えだと思ったので、低めの見逃しはOKで目つけを高めにした」。気持ちをリセットし、3球目のスライダーを捉えて左前適時打を放った。
八回無死はエレラの直球を打ち返して右中間二塁打。試合前には侍ジャパン・小久保監督からの助言があった。「直球をしっかり捉えないと、ファウルにした時点で終わりだぞ」。右のスラッガーからの言葉もヒントに、速球に力負けしないスイングを見せた。
球団の新人では10年の俊介以来となる猛打賞。敵将を再びうならせた。母校の駒大の先輩で、DeNAの中畑監督は25日に「(1軍に)上がってきてスイングが変わっている」と警戒していた。
「大先輩にそう言ってもらえてうれしいし、これからも大先輩に認めてもらえるように頑張りたい」。同日は3三振を奪われたが、この日はやり返した。
中畑監督には昨年12月に駒大のOB会で「元気を出していけよ」と声も掛けられていた。先輩の目の前で教えを体現する大暴れで、力強く再スタートを切った。