マートン“特別な日”に今季9度目猛打賞

 「広島2-8阪神」(6日、マツダ)

 特別な日、阪神・マートンはバットに思いを託した。三回2死一塁から中前打でつなぐと、七回にはゴメス二塁打のあと、左越え二塁打でダメ押しの7点目を挙げた。そして九回にも左前打で2試合連続、チームトップとなる今季9度目の猛打賞を完成させた。

 この日の朝、ある場所を訪れた。平和記念式典が行われている平和記念公園と原爆資料館。その様子を自らの短文投稿サイト、ツイッターにつぶやいた。そこにはファンからのお礼のメッセージが次々に書き込まれていった。

 なぜ、そこへ向かったのか。「6年日本にいるけど、この日に広島にいるのは初めて。一度、行くべきだと思った。(原爆投下は)母国と今いる国が関わっている。複雑な気持ち。悲しい現実であると同時に歴史の一部。色んなことが頭をよぎった」と言葉を選びながら説明した。

 平和への思いを新たにしながらグラウンドに立てば白球に集中した。「特別な日だけど、どんな日でもベストを尽くすことには変わらない。そんな気持ちで試合に臨んだ」。ベストパフォーマンスを見せることが自分のできるすべてと集中した。その結果がヒットの量産となった。3連戦で14打数9安打、1本塁打2打点。打率は一気に・287まで上昇した。

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