江越“神の手”一ゴロで鮮やかVホーム
「DeNA2-5阪神」(8日、横浜)
涼しい夜風に後押しされながら、阪神の背番号25が走攻守でチームを勝利にけん引した。制球に苦しむ藤浪の背中を、中堅の位置で見つめていた江越。なんとかしたい-。後輩を思い、この日もフルスイングで2安打。好走塁に好返球。横浜に集った虎党もその活躍に大きな拍手を送った。
初回に逆転を許し、迎えた二回無死一塁。高崎の直球を強振し、中堅フェンス直撃の二塁打。鶴岡の遊撃内野安打で三進後、鳥谷の一ゴロで一気にホームへ突っ込んだ。
「(打球が)はねたからいけると思いました」。捕手・嶺井のブロックをかいくぐり、ホームベースにタッチ。好走塁で決勝点をもぎ取った。「常に次の塁を狙うことは意識している。きょうはそれができた」と納得の表情。和田監督も「あれが決勝点になった。なかったら同点だったからね」とたたえた。
これだけではない。初回2死二塁のピンチで宮崎の打球は中堅・江越の前へ。猛烈なチャージで処理し、すばやくバックホーム。送球は鶴岡のミットへ吸い込まれ、二走ロペスはタッチアウト。「あまり足が速くないのは分かっていた。コースだけしっかり投げようと思っていた」と冷静な判断と技術で、プロ入り初の補殺を記録した。
これで15戦連続スタメン出場。体力的につらい夏場でも背番号25の動きは衰えない。その頑丈さは、幼い頃から変わっていないという。母・照江さんは「熱が出ても絶対学校を休まない。38度あっても『僕は行くから』と言って行ってましたよ。頑丈ですね。家に帰ってもけろっとしてますから」。江越には恵まれた体がある。
「あしたからも集中して試合に臨みたいと思います」と江越。慢心はない。中堅のレギュラーを手中に収めるため、勝負の夏を駆け抜ける。