岩崎今季初星!お待たせ8度目登板で

 「DeNA2-3阪神」(9日、横浜)

 ようやくつかんだシーズン1勝目だ。阪神は先発の岩崎優投手(24)が6回0/3を2安打無失点。今季8度目の登板で白星を挙げた。七回に左ふくらはぎが2度もつり降板したが、終盤をどう乗り切るかは今後への課題。4本柱に続く左腕の奮投は、終盤戦への明るい光だ。チームは連勝で首位をキープ。暑い夏を熱い戦いで突き進め!

 勝利の瞬間、岩崎がベンチで笑った。七回の先頭、梶谷への投球時に左ふくらはぎがつり、中前打を打たれ降板。「ふがいないですね」。だが、この日の勝利は左腕の好投なくしてあり得ない。6回0/3を2安打無失点。苦しい時期を乗り越え手にした今季初勝利は、格別だった。

 初回からフルスロットル。2死から梶谷に左前打を許したが、続く筒香は高めの直球で空振り三振。球持ちの良い投球フォームから繰り出される最速143キロの直球で、DeNA打線を牛耳った。

 右打者の懐も積極的に突いた。二回から六回まで無安打投球。「テンポを意識して、一人ずつ投げようと思いました」。三塁を踏ませない安定感抜群の投球で、勝利を引き寄せた。

 昨季5勝を挙げた左腕もここまで0勝5敗。2軍戦でも結果を残せず4試合連続被弾も味わった。「どうすればいいかわからない」。どん底だった。クールな左腕が弱音を吐いたこともあったが、そこから立ち上がった。

 6月中旬のオフ。岩崎は一人、鳴尾浜から電車を乗り継ぎ、京都を訪れた。嵐山の渡月橋を歩き、竹林へ。その後、再び電車で東山方面に向かった。「5つくらいお寺を回りました。自分探しの旅ですよ」。冗談交じりに話したが、本音だったのだろう。自分に何が足りないのか-。いにしえの都から、何かを感じようとしていた。

 その後、左腕は変わった。ブルペンで一度に投げる球数を倍以上に増やし、走り込みの量も自ら増やした。「調子が上がってこない理由が、正直わからないんです。でも、今はいい意味でそれを考えないようにしています。それ以上の力をつければいいと思えるようになりました」。成長のきっかけを、京都で見つけていた。

 和田監督は「今日は良かった。相手も差し込まれていた」と左腕をたたえた。昨年9月15日・ヤクルト戦以来の勝利は、次への一歩。勝負の8月。岩崎は「次もあるので、しっかり投げられるように頑張ります」と表情を引き締め、バスへと乗り込んだ。

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