岩田、2巡目で一変 暴投から4失点
「ヤクルト9-1阪神」(15日、神宮)
四回のマウンドにはそれまでと別人の阪神・岩田がいた。三回まで打者9人をパーフェクト。1人の走者も許さない文句なしの内容だったが、その姿がガラリと変わる。先頭比屋根、川端の連打で一、三塁とされると、3番山田への初球フォークが、鶴岡の股間をスルリ。試合後、中西投手コーチが「あれで低めに投げられなくなった」と指摘した痛恨の暴投で先制点を与えた。
五回も、流れを食い止められない。2つの安打で1死一、三塁。代打・田中の内野ゴロの間に追加点を奪われると、川端の打席で、4点目につながる暴投。自己ワーストタイ1試合2暴投に、岩田は語気を強め、自分を責めた。
「点の取られ方が悪い。向こうが狙っているボールと、僕が投げるボールが一致してしまうことが多かったような気がします。同じところに抜けていっていたので…」
バントミスでも自分の首を絞めた。0-0の四回、無死一塁。3球目にバットを出したが小飛球に。走者を進められず流れを手放してしまう。和田監督も投手陣全体に向けて、このミスに言及した。 「ピッチングにつながったか分からないけど、ピッチャーのバントミスが多い。自分のリズムを崩している」
4日・広島戦から、中10日を空けての先発マウンドだった。この間、ブルペン投球回数やウエートトレーニング量を増やし調整。「時間をもらったのでしっかりやらないといけない責任感がある」。強い決意を持って臨んでいた登板だったが…。自らが崩れ、ツバメ打線の餌食となってしまった。
「自分が悪い」
球場を離れる前に、岩田は自戒を込めて、そう言った。首位独走へ、岩田の存在は必要不可欠だ。次こそ復調した姿を示したい。