メッセで再び2・5差「優勝しないと」

 「阪神3-1DeNA」(23日、京セラ)

 3連戦3連勝は気持ちいい!中4日で先発した阪神のランディ・メッセンジャー投手(34)が8回1失点、11奪三振。歴代助っ投単独3位の通算894奪三振とする力投で、チームを60勝リーグ一番乗りに導いた。貯金も再び8とし、2位巨人とのゲーム差を2・5に広げた。残り30試合、このまま首位を独走や!

 3万2120人の中から真っ先に家族5人の姿を見つけ出した。「ダディー、ダディー!」。バックネット裏の子どもたちの声は、お立ち台のメッセンジャーまで届いていた。手を振って応える表情は、勝負師から優しいパパに戻っていた。

 「今日はメチャクチャ良かった。ロペスに投げた1球は高く甘く入ってしまったけど、それ以外、すべてのボールを低めに集めることができました」

 自画自賛の108球だ。3点リードの八回、先頭ロペスの二塁打から失点を許したが、失投はその1球だけ。8回を3安打1失点。150キロ超の直球、フォーク、スライダー、カーブをコーナーに決め、8勝目を挙げた。

 うっ憤を晴らした。前回18日の巨人戦は今季最短3回1/3でKO。中4日の間に厄を払った。東京ドームで使用したスパイク、ランニングシューズを一新。グラブの刺しゅうも、金色から赤色に変えて試合に臨んだ。「考えすぎるのは良くない。前回のことはきれいに忘れてマウンドに上がることができたよ」。過去の失敗は引きずらない。験担ぎの効果はてきめんだった。

 4人の子どもたちへ恩返しもできた。13日は34歳の誕生日。自宅に帰り、玄関のドアを開けると香ばしい匂いが部屋を包んでいた。長女フランチェスカちゃん、次女ジジョちゃんが手作りケーキに挑戦。その夜、ケーキをほおばり、子どもたちが歌うバースデーソングに聞き入った。家族の前でふがいない投球は見せられない。思いに応えたかった。

 「家族はいつも応援してくれている。子どもたちは野球に集中していないけど(笑)、ヒーローインタビューに出てくると、喜んでくれるんだ。いつも期待されているから今日はできて良かったよ」

 11三振を奪い、通算894奪三振は南海などでプレーしたスタンカの887を上回り、助っ人史上3位に躍り出た。メッセンジャーは「うれしいね。ただいつも言っているように、覚えてもらう選手になるには優勝しないといけない」と自身の記録よりも、優勝への決意を強くした。

 和田監督は「残り試合全部取るつもりでいってほしい」とフル回転を期待。勝負の秋。チームを背負う助っ人が悲願達成の使者となる。

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