和田監督 勝負の9月は“守りの野球”

 阪神・和田豊監督(53)が勝負の9月に向けて“守りの野球”で臨むことが明らかになった。1日の広島戦(甲子園)は44分遅れでプレーボールがかかったものの、降雨のためわずか4分で中断、そのままノーゲームとなった。だが、4分間のゲームの中にこれまでの指揮官が自らのセオリーを打破し、守り重視で挑む姿勢が垣間見えた。

 ようやく始まったゲームは開始からわずか4分で中断、14分後にはノーゲームが宣告された。

 その4分間、グラウンドには異変が起こっていた。相手先発は左腕のジョンソン。三塁はこれまで左投手が先発なら新井良だったが、今成。中堅には右の江越でも打力重視の伊藤隼でもなく大和が入った。ジョンソンとの前回対戦だった8月26日は新井、江越が先発メンバーに名を連ね2人とも安打を記録した。にもかかわらず、思い切ってオーダーを変えた。今成、大和の先発出場が意味するところは“守り重視”だ。

 和田監督は「そういうことだな。それプラス大和は前回(ジョンソンに)合っていたからね」と認めた。

 8月最後の4カードで3度の負け越し。特に前カードのヤクルト戦では逆転負けでの連敗。「8月は尻すぼみになった。ここで仕切り直して、勝負の9月に入っていきたい」と話していた。

 残り25試合。負けられない戦いが続く。混戦の続くセ・リーグをどうやって勝ち抜けばいいのか。その答えが守り勝つ野球だった。藤浪、能見、メッセンジャー、岩田ら強力な先発陣を前面に出し、守備重視の布陣で失点を最少にとどめることに集中する。それこそが“勝負の9月”を勝ち抜く術だという結論に達した。

 「すべてそうするかというとチーム状況があるから」と、不測の事態に備える考えから発言は慎重になった。だが「甲子園ではしっかり守るということだな」とも続けた。

 これまで中堅、三塁は相手投手の左右によって変えてきた。それをセ界屈指の守備範囲を誇る大和、安定した守備力の今成を中心に起用する。“右対左”、“左対右”の自らのセオリーを打破。得点能力は落ちるかもしれないが、少ないチャンスをモノにし、福原-呉昇桓で逃げ切る形に持って行くつもりだ。

 2日は和田監督の53歳のバースデー。強固な守りでまずは自らの祝い星へ。さらにその先にあるペナントまで守り抜くつもりだ。

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