メッセ耐えた8回0封!竜斬り9勝目
「中日0-3阪神」(4日、ナゴド)
阪神先発のメッセンジャーが竜打線の前に立ちはだかった。2-0の八回2死一、三塁のピンチ。一発が出れば逆転の場面だ。打席には初回に中前打を許している森野。右腕を振り、二ゴロに打ち取ると力強く拳を握った。
「我慢して、我慢して投げることができた」。8回6安打無失点。9奪三振の快投劇で、今季9勝目を手にした。
四回まで毎回安打を浴びたがホームは踏ませない。150キロ超の直球とカーブでカウントをつくり、勝負球は「安定していた」というフォーク。八回無死一塁では自身が落ち着いてバントを決め、鳥谷の先制打につなげた。「得点圏に進めることができたし良かったと思う」。勝ちに対する執念は、自らのバットにも宿っていた。
前回登板した8月29日・ヤクルト戦(甲子園)では、七回まで好投していたが八回に川端、山田の連続適時打で降板。悔し過ぎる敗戦だったが「忘れて今日は挑んだ」と気持ちを切り替えた。和田監督は「先に点をやらない気持ちがマウンド上で感じられた」と粘投をたたえた。
5月11日。メッセンジャーは、不振のため先発転向後初めて2軍に降格した。だが、気持ちは切れなかった。若虎と共に汗を流す日々。ブルペンでの熱のこもった投球には横山、歳内ら若手投手陣が金網越しに集結し、背番号54の姿を凝視していた。
久保2軍投手チーフコーチは「彼の存在はこの子たちにとって大きいよ」と横山らを見つめポツリ。「あの角度からの直球とフォークはすごすぎます」とドラ1左腕も驚きの表情を見せた。貫禄の投球は、次代を担う投手の手本となっている。
失速が許されない9月戦線。「これからも勝ちを積み重ねていきたい」と右腕の言葉が頼もしい。優勝を目指す阪神の中心には、メッセンジャーがいる。