和田虎ミスミス首位陥落 重盗警戒も…
「阪神0-3広島」(13日、甲子園球場)
マエケンを打てず、相手の策略にもはまって、首位陥落だ。阪神は打線が奮わず、今季15度目の完封負け。守備でも重盗を警戒しながら生還を許すミスが出て、引き分けを挟み3連敗を喫した。首位ヤクルトから4位広島まで3ゲーム差にひしめく大混戦。虎よ、いつまでも立ち止まっているわけにいかない。早く目覚めろ!
大失態が、最後まで尾を引いた。リーグ屈指の右腕を相手にした試合で隙を見せては、勝てるわけがない。まんまと鯉の仕掛けにはまり、引き分けを挟んで3連敗、首位陥落。甲子園が大きく、深いため息に包まれた。
「(重盗を)明らかにやってくる場面。2点目は何とか防がないといけないところだった」。和田監督が、苦虫をかみつぶした守備の綻(ほころ)び。目を覆いたくなるようなプレーが飛び出したのは、0-1の六回だった。
2死一、三塁で打席には堂林。高宮が投じたカウント2-2からの5球目、一走のエルドレッドがスタートを切った。捕手の鶴岡は重盗を警戒して、低く送球。投手の高宮がカットすべきところをその場にしゃがみこんでしまって、捕球せず。二塁ベース手前で鳥谷が捕球する間に、三走・菊池の本塁生還を許した。
この場面では、高宮が送球をカットして本塁突入を防ぐのがセオリーだ。堂林を打席に迎えた際、マウンドに足を運んだ中西投手コーチはピッチャーカットの確認だったのかと問われ、「もちろん、それしかない」と厳しい表情。高代作戦兼内野守備走塁コーチは「セカンドに投げるか、普通。レベルが低すぎる」と苦言を呈した。高宮は「体勢が崩れて反応が遅れた。頭にはあったけど捕れなかったのは僕のミスです」と猛省した。
今季2戦2敗のマエケンが相手だけにケアレスミスで献上した2点目は重かった。指揮官が繰り出した勝負手も決まらない。五回2死一、二塁、藤井への代打・坂は凡退。八回1死一塁では代打攻勢をかけたが、新井良は右飛、梅野は三振に倒れた。八回裏終了後、スタンドの多くのファンが席を立った。
この3連戦で2度目の完封負けを喫し、8年ぶりの広島戦負け越しが決定した。「守る方も攻撃の方もやるべきことができなかった」と嘆いた虎将。首位の座をヤクルトに明け渡し、3位巨人にはゲーム差なし、4位広島にも2・5ゲーム差に迫られた。広島とは残り4試合。天敵の前田とは今後2度、対戦する可能性がある。尻に火が付いてきたが、今こそ踏ん張るしかない。