呉昇桓、球児の46S超えでセ界一や
阪神の呉昇桓投手(33)が17日、藤川球児(現四国ILp・高知)らが持つ日本記録のシーズン46セーブ超えを誓った。和田豊監督(53)は、18日のDeNA戦(横浜)から始まる12連戦でフル回転させる方針。守護神が長期連戦中に記録を更新する状況になれば、10年ぶりのリーグ優勝がグッと近づいてくるはずだ。
自分のためではない。呉昇桓はリーグ優勝のために記録を狙う。自身がマウンドに上がる時は、リードしている確率が高い。役割を果たせばチームは勝ち、その積み重ねが頂点へとつながっていく。
「(記録を)破ることができたらいいかな、と思う」。韓国球界で数々の記録を打ち立ててきた守護神は、05年の中日・岩瀬と07年の阪神・藤川がマークした日本記録46セーブに照準を定めた。
すでに秒読み段階に入っている。15日の中日戦で、昨年の39セーブを上回り、プロ野球史上7人目の40セーブに到達。記録更新までは残り7セーブだ。
18日のDeNA戦からは優勝争いを左右する12連戦が始まる。この間に達成できれば、その価値は増す。甲子園室内練習場での全体練習開始前には、和田監督からゲキを飛ばされた。
「12連戦全て準備してくれ、と言われたよ。冗談半分だけどね」。シーズンの最多連続日登板は、8月11日の中日戦から同14日のヤクルト戦にかけての4日が最長だ。「自分の体は問題ない。12試合、全てで投げることは難しいけど」。現実的に12日連続登板は厳しいが、多少の連投ならいとわないつもりだ。
指揮官は絶対的な信頼を寄せる守護神の言葉を喜び、惜しみなく投入していく方針を示した。
「本人もそういうつもりでいる。ただ、そう簡単ではないけどね。逆に言うと、12連戦、全部で準備してもらって、スンファンに1回でも多く投げさせる状況に持っていく、というのがこっちの仕事。本人がそういう気持ちでいてくれるのは頼もしいこと」
昨年は“秋男”だった。9、10月は12試合で1勝1敗6セーブ。わずか2失点(自責点1)で、防御率0・58と抜群の安定感を見せた。
この日の練習は2日連続のノースロー。体の準備も整えた。「1試合1試合が大切になる」。首位・ヤクルトと1ゲーム差。10年ぶりのリーグ優勝へ向けて、呉昇桓のフル回転が始まる。