虎痛恨…勝負手すべて失敗で自力V消滅

 6回、スクイズを失敗する大和 
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 「阪神2-5ヤクルト」(21日、甲子園球場)

 痛い。あまりに痛すぎる1敗だ。阪神は首位ヤクルトとの直接対決に敗れ、自力優勝の可能性が消滅した。同点の六回1死満塁、和田豊監督(53)は初球スクイズを仕掛けたが失敗。先発の藤浪に代打・新井良を送ったがこれも実らず、絶好の勝ち越し機を逃した。22日からは敵地での巨人戦。とにかく勝つしかない!

 虎の必死の一手は無情にもかわされた。遠ざかったツバメの背中。執念は実らない。痛恨の1敗で、夕暮れと共に沈んだ甲子園。ついに自力Vが消滅。和田監督は厳しい表情で振り返った。裏と表の攻防が明暗を分けた。

 「六回に何とか勝ち越したかったけど。(大和に決めてほしかったのは)もちろん」

 分岐点は六回の攻撃だ。先頭の福留が登板直後のロマンから四球を選び、1死を挟み伊藤隼と代打関本が連続四球。3四球で1死満塁の好機となった。制球が定まらない右腕に対し、ここで大和が打席へ。ストライクを欲しがる投手心理も読み、奇襲を仕掛けた。

 ロマンの初球、甘く入ったスライダーで試みたスクイズはしかし、ファウルチップで失敗に終わった。「ストライクゾーンだし決めないといけなかった」と大和。そこから5球目を打って三ゴロに倒れた。

 ここで勝ち越せば、和田監督が「それも頭には(あった)」と説明したように、六回まで3安打2失点の藤浪を続投させる考えもあった。続く藤浪に代えて新井良を代打で送ったが、空振り三振で無得点に終わった。

 その悪い流れを引きずるように、七回に2番手安藤が3点を奪われた。和田監督は「ストライクゾーンだったから一発で決めてほしいところだったけど」と話す。意表をついたとはいえ、リスクも高く、大和に託す形となった満塁初球スクイズ。高代作戦兼内野守備走塁コーチは「決めなきゃダメ」と話したが、勝負手は裏目に出た。

 三回無死一塁でも藤浪が送りバントを失敗した。指揮官は「接戦の中で、進めるところでそういう失敗をしていたら攻撃のリズムもね」と話した。佳境に入る優勝争い。細かなミスも命取りとなる。

 22日の巨人戦から東京、名古屋、広島と続くビジター6連戦。「目指しているものは変わらない。こんなのは一日で付いたり消えたりするもの。何とか自力Vを復活できるように明日以降やっていきます」。次の甲子園のゲームは28日の巨人戦。そこで優勝を狙える位置にいられるかどうか。ここが正念場だ。

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