岩崎、無援9敗目 初の巨人戦で好投も
「巨人3-0阪神」(22日、東京ドーム)
自分を見失わず役割を全うした。プロ2年目、通算31試合目で、初めての伝統の一戦。阪神・岩崎は6回4安打1失点の好投。今季9敗目を喫したが、持ち味を存分に発揮した。
「全体的には思い通りに投げられたと思います。無駄なランナーを出したくなかったので粘れたと思います」
巨人打線に対して、恐れず、果敢に攻めた。序盤は伸びのある直球で押し込み、フライアウトを重ねた。2巡目の中盤以降は配球を工夫。チェンジアップ、スライダーの割合を増やし、五回まで無失点に抑えた。
唯一の失点は六回だった。先頭立岡の内野安打から1死二塁のピンチを招くと、坂本に内角高めの直球をはじき返された。決して、失投ではなかった。2打席目まで抑えていた直球を狙われた。
「その前の打席でもタイミングの早いファウルがあった。ストレートをマークされていたのかもしれない。うまく打たれてしまいました。先制点を与えないという気持ちで投げていましたが、先に点を取られる形になってしまい悔しいです」
それでもガタガタと崩れない。アンダーソン、長野を打ち取り、菅野との投げ合いに、一歩も引かなかった。
今季、巨人戦に先発した投手は先発4本柱以外ではルーキーの横山だけ。CS、来季以降を見据えても、左腕の好投は明るい材料だ。「6回までしっかりと1点で踏ん張ってくれた」。ペナントレースの正念場で先発に送り出した和田監督が高く評価すると、中西投手コーチも「制球が良かった。十分ちゃうか」と深くうなずいた。
岩崎は「次の試合に向けてしっかり調整したい。自分にできることをやりたい」と前を向いた。残り9試合。リーグ優勝に赤信号がともっても、左腕は勝利を目指して投げ続けるだけだ。