阪神 金本氏と初交渉!極秘に監督要請
阪神が1日、来季新監督の就任を要請するため、兵庫県内のホテルでOBの金本知憲氏(47)と初交渉を行った。9月30日に大阪市の電鉄本社で行われた坂井信也オーナー(67)と南信男球団社長(60)のトップ会談で監督要請に向けた最終調整を踏み、この日、極秘裏に即アタック。球団側はテーブルの席に招いた金本氏へ要請に至った経緯と誠意を伝え、来季創設81年目を迎える猛虎の再建を託す意向を伝えたとみられる。
金本新監督誕生へ、極秘交渉のテーブルが用意された。この日午後、球団がトップシークレットで設定した兵庫県内の高級ホテルで南球団社長ら幹部が金本氏と初接触。球団関係者にもほとんど知らされなかった第1回の監督就任要請は約2時間に及んだ。同球団社長はデイリースポーツの取材に「それは言えません」と接触の事実さえ認めなかったため、交渉の中身については不明のままだが、金本氏に来季のチーム再建を託したい熱意を伝えたもようだ。
前日9月30日に大阪・野田の電鉄本社内で行われた球団取締役会で和田監督の今季限りでの退任を確認。その後、坂井オーナーと南球団社長がトップ会談の場を設け、金本氏招聘(しょうへい)のための条件面を調整した。球団関係者によれば、その場で契約年数、年俸など就任要請に向けた詰めの作業を行ったという。その後、報道陣に対応した南社長は新監督の選定について「それはこれからのことです」と話すにとどめていたが、水面下で金本氏とのスケジュールを着々と調整。ぬかりのない準備を整えたうえで、速攻アタックをかけた格好だ。
前回優勝の05年から10シーズン、毎年のように繰り返されてきたシーズン終盤の失速劇は、突き詰めれば外国人依存の体質と若手の成長が滞った育成問題などに起因しており、来季新監督の手腕に託される課題は山積している。前途多難なチーム状況に加え、巨人と人気を二分する伝統球団で初めての監督業となれば、過度の重荷が伴うことは当然。ときに巨大メディアの批判の的となり、チーム過渡期の環境で重責を引き受けるためには、熟考の時間が必要という認識で電鉄、球団内の認識は一致している。
南球団社長に一任された金本氏の招聘は交渉の長期化も想定し、並行しながら新体制への移行を進めていくことになりそうだ。この日夕、坂井オーナーは退社の際、監督問題で進展はあったのかと問われると「知りません」とだけ話し、車に乗り込んだ。金本氏も取材には応じなかった。結論はまだ先…。第33代の虎将に何が何でも金本氏を迎え入れる-球団史を変える一大交渉の結実へ、新監督問題は一気に動き出した。